ペット探偵が迷子捜しの疑問や心配にお答えします
私たちの推計では、毎年 6.8万件の猫が、1.2万件の犬が迷子になっています。
ほとんどの飼い主さんがはじめての経験で、どうしてよいかわからず戸惑っておられることと思います。
1997年からこれまでペット探偵として5,000匹以上の迷子の猫や犬を保護してきたなかで、飼い主さんがよくご質問されること、ご心配されることにお答えします。また、勘違いされておられることや、知っておくと役に立つこともお知らせいたします。迷子捜しの不安がすこしでもやわらげば幸いです。
なお、ここでは状況別の詳しい捜し方をお伝えすることはできません。迷子の捜し方は、いなくなってからの日にち、飼育環境、性格、まわりの環境などの組み合わせでそれぞれ違いますので、ここでの情報を拾い読みして捜すことはせずに、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」で捜し方を調べて捜すようにしてください。
まず、落ち着くことがだいじです。
猫が外に出て興奮したり警戒心が高まったりしているときに、飼い主さんがあわてた声で叫んでしまうと、猫は驚いて逃げてしまいます。
飼い主さん家族が興奮して捕まえようと近づいたり、追いかけたりすれば、猫は怖くなり逃げてしまいます。
道で捜しながら名前を呼ぶときは、猫が安心するよう、いつも通りの落ち着いた静かな声で呼んでください。猫は耳がよいので、近くにいれば大きな声で呼ばなくてもちゃんと聞こえています。
夜、自宅から名前を呼ぶときも、「ごはんだよー」と声掛けしてから、落ち着いた声で名前を呼んであげてください。飼い主さんが落ち着くと、隠れて様子をみていた猫が姿をあらわすかも知れません。
家のまわりに餌を置くのは、そこにうちの猫が来るかどうかを確認するためです。
まわりに他の猫がいなければ餌だけを置く意味がありますが、野良猫や自由外出、地域猫がいる場合は餌だけ置くとどの猫が食べに来ているのかがわからず意味がありません。トイレ砂も他の猫にマーキングされると、うちの猫が帰ってきづらくなることがあります。
餌を置くのであればトレイルカメラとセットで置いて、どの猫が食べに来ているのかを確認できるようにしてください。
捕獲器も闇雲に置くと他の猫がかかって管理が大変なので、居場所の見当がついてから設置するようにします。
猫は迷子になるとトカゲや虫などを摂って飢えをしのぎますが、それだけでお腹いっぱいになることはありませんので、コンスタントに食べられる餌場があればそこに定着しようとします。
野良猫や地域猫がいる場所には、餌をあげておられる方がいらっしゃいます。コンスタントに食べられる餌場がないと野良猫は別の場所に移動していきますので、野良猫が定着しているということは、その周辺に餌場があるということになります。
時間を決めて決めた猫だけに餌をあげておられる方や、餌を出しっぱなしにしてなくなったら追加される方、通勤や買い物途中で餌を置いていかれる方、夜中にこっそり餌を置いてまわられる方など、ひとくちに餌場といってもいろいろなケースがあります。最近はご近所に知られないよう道路から見えにくい場所に餌を置いておられる方も増えているようです。
迷子の猫を見つけるために、餌場の状況を把握することはとてもだいじです。
迷子の猫を捜すときは、餌場や餌場の痕跡もさがしてゼンリンの住宅地図にすべて記録しておき、近くから順番にトレイルカメラで確認していきます。
餌が出しっぱなしになっている場合、うちの猫が食べに来ていても気づかれないことがあります。餌をあげておられる方が「新しい猫は来ていないよ」と言われても、トレイルカメラを設置させていただき確認してください。
その餌場をテリトリーにしている猫に追い払われて移動してしまうこともありますが、出しっぱなしの餌がある場合は追い払われてもその猫がいない時間帯にこっそり食べに来ていることもありますので、2日間はうちの猫が来ていないかどうかをトレイルカメラで確認します。
猫がいなくなったら、すぐに近所で猫が行きそうな場所を道から捜してください。猫は外に出てすぐはどうしたらよいかわからず、家と家の隙間や駐車場の車の下でまわりの様子をうかがっていることがありますので、落ち着いた声で名前を呼びながら手分けして捜します。
しかし、家と家の隙間や駐車場の車の下で様子をうかがっていた猫も、外に出てしばらくすると、飼育環境、性格、まわりの環境などにより、それぞれが違った行動をとるようになります。
例えば、普段室内だけで生活している警戒心が強い猫が外に出てしまった場合、外の環境や人が怖いため、自宅からとても近い場所に潜り込んでしまいます。人が入りにくい場所の奥まった隙間に潜り込んでじっとしているので、道から捜しても見つけることが難しく、警戒しているので名前を呼んでも出てきません。数日から数週間、隠れた場所からほとんど出てこない猫もいます。
一方、自由外出の猫が帰ってこない場合は、普段のテリトリーの外に出てしまい、家の方角がわからなくなっているのかも知れません。その場合、近所を捜し歩いてもそこにはいません。
迷子になった猫の行動は、飼育環境、性格、まわりの環境などの組み合わせでそれぞれ違い、いなくなってからの日にちで変化していきますので、何日も道から捜し歩くのではなく、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」に、うちの猫の飼育環境、性格、いなくなってからの日数を入力して、今のうちの猫を見つける効果的な方法を調べて捜してください。
普段から警戒心が強く触るのがむずかしい猫はもちろん、家にいるときは家族に懐いている猫でも外に出れば警戒心が高まってしまいます。
警戒心が高まっているところに、飼い主さん家族が興奮して捕まえようと近づいたり、追いかけたりすれば、猫は逃げてしまいます。逃げる猫を人が素手で捕まえることはほぼできません。
何度も追いかけてしまうと、さらに猫の警戒心が高まり、今後飼い主さん家族を見ただけでも逃げるようになってしまいます。移動して居場所がわからなくなってしまうこともあります。
見つければ捕まえたくなりますが、まずは低くしゃがみ「落ち着いた声」で名前を呼びながら猫の状態を観察して、素手での保護ができそうかどうか見極めてください。むずかしそうであれば、いったんその場を離れ捕獲器を使っての捕獲を試みます。
迷子チラシをポスティングしているのに目撃情報がまったく入ってこない場合は、以下の原因が考えられますので、それぞれに対策をとっていきます。
①迷子チラシのポスティングに漏れがある
迷子チラシをポスティングしていないお宅の庭や軒下にうちの猫がいた場合、そのお宅にお住まいの方に目撃されていても連絡がもらえません。
>ゼンリンの住宅地図に記録しながら、再度1軒の漏れもないようにポスティングをします。
②怖くて隠れているため、目撃されない
警戒心が強く人や外の環境が怖くて隠れている場合、数日から数週間、隠れた場所からほとんど出てこない猫もいます。目撃情報がないのは遠くに移動したからではなく、近くに隠れてひとけのある時間帯に出てこないために目撃されていないケースがあります。
>近隣の敷地に入れさせていただき、軒下、物置の中、簡易物置の下、ウッドデッキの下など猫が潜り込めるスペースを懐中電灯を使い徹底的に捜してください。
>いつまでも隠れて何も食べないわけにはいきませんので、やがて水と餌を求めて恐る恐る、隠れた場所からひとけのない時間帯にこっそり出てきて、また隠れることを繰り返すようになります。出てくればいずれ人目につきますので、いなくなった場所周辺に迷子チラシを漏れなくポスティングして情報を待ちます。
③迷子チラシをポスティングした範囲を出てしまっている
他の猫に追われたり、落ち着く場所や餌を求めて、または家に帰ろうと間違った方角に移動を続けたりしているうちに、迷子チラシをポスティングした範囲より外に出てしまっていることがあります。
>ポスティングの範囲を目撃情報が入ってくるまで拡げます。
目安としていなくなってから
・7日以内であれば半径300mまで
・1ケ月以内であれば半径500mまで
・1ケ月以上であれば半径1kmまで
漏れなくポスティングします。
外に慣れている猫ほど移動することに躊躇がありませんが、猫はどこまでも移動を続けることはなく、およそ1ケ月もしないうちにコンスタントに食餌が摂れる餌場を見つけ、そこに定着します。
④うちの猫の特徴が覚えてもらえない
特徴が覚えてもらえない、またはもともと似た猫がいるのでその猫と思われ連絡がもらえない。
>うちの猫の特徴を覚えてもらいやすい迷子チラシに作り変えます。
(ご参考)情報を絞ったシンプルな迷子チラシのデザインの参考に
ペットレスキューでも、似た猫を見かけた人が迷わず電話をくださるような、シンプルな迷子チラシのデザイン・印刷のご依頼をお受けしておりますので、お申し付けください。
⑤迷子チラシを受け取った方に目撃されているのに連絡がもらえない
迷子チラシを見て心配してくださるのはご年配の方も多く、メールアドレスやSNSのアカウントでは連絡がもらえないことがあります。連絡先がペット探偵社のフリーダイヤルになっていると、契約終了後忙しい探偵社さんだと目撃情報を飼い主さんに伝えるのが遅くなることがあるかも知れません。
>連絡先を飼い主さんの携帯電話番号に変更した迷子チラシに作り変えます。
⑥迷子チラシが捨てられている
日にちがたち迷子チラシが捨てられてしまい、連絡先の電話番号がわからなくなっている。
>2週間以上間隔を開けて、もう1度だけ同じ地域に迷子チラシをポスティングします。
⑦どこかのお宅で保護、または飼われてしまい外を出歩いていない
首輪をしていない、または外れてしまった場合、餌をあげてくださる方が野良猫と思い、そのまま室内で飼育されるケースがあります。そうなると外を出歩くことがなくなるため、目撃情報が入ってきません。老人ホームや倉庫の敷地内で飼われていたケースもありました。人懐っこい猫ほど誰かに飼われてしまう可能性があります。
>迷子チラシを漏れなくポスティングして、その猫が捜しているうちの猫であることを知ってもらいます。
目安としていなくなってから
・1ケ月以内であれば半径500mまで
・1ケ月以上であれば半径1kmまで
漏れなくポスティングします。
>室内で飼育すると決めた方の多くは、猫を動物病院に連れていきノミ・ダニや感染症の検査をしますので、少なくとも半径5km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします
⑧人が介在して遠くまで運ばれてしまった
稀なケースではありますが、おそらく車の荷台に乗ってしまい3km離れた場所で見つかったケースや、具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありました。
>迷子チラシのポスティングを進めつつ、ポスティング範囲よりさらに外への情報発信としてSNSを活用します。
⑨怪我や衰弱で行政機関に保護されている
>地域の交番、保健所、動物愛護センターに継続的に問い合わせをします。
迷子を捜していて、ご近所にお住まいの方とトラブルになってしまうことがあります。
飼い主さんにとっては「たいせつな家族」でも、「たかが猫くらいで」と思われる方もおられますから、気を悪くされるとクレームになり、その後の捜索に支障をきたしてしまうことがあります。
ついやりがちではありますが、迷子を捜すさいは以下のことをしないよう注意してください。
・数人で喋りながら捜しまわる。
・夜中に家のまわりをうろつく、庭を懐中電灯で照らす。
・無断で庭を覗き込む、トレイルカメラや捕獲器をしかける。
・夜中に迷子チラシをポスティングする。
・無断で電柱や壁に迷子チラシを貼る。
※ 無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る行為は軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
一緒に捜してくださる方たちにも気をつけてくださるよう伝えましょう。
ご近所を捜すさいは、ぜひ迷子チラシを持ち歩いてください。不審者の疑いを晴らすのに役立ちますし、見かけたら連絡がもらえるかも知れません。
ご自身がやられたら、ちょっとイヤかもということを想像しながら、ご近所にお住まいの方にご迷惑をかけないように、うちの猫を捜してください。迷子の猫のことを心配してくださる方は、たぶんあなたが思っておられるよりもずっと多く、よい関係が築ければきっと力になってくださるはずです。
すぐに正しく捜せば飼い主さんでも迷子を見つけられる可能性は充分にあります。
依頼したペット探偵の捜索方法が不適切だったり、来てもらうまでに日にちがかかったりする場合は、飼い主さんが捜したほうが見つかる可能性は高くなるかも知れません。
私たちプロの立場から、プロに依頼するかしないかの考え方と、依頼する場合事前に確認しておくことをお伝えさせていただきます。
①プロの強み
実績のあるペット探偵には以下のような強みがあります。
・状況別の猫の捜し方を知っている。
・発見や捕獲に高いスキルがある。
・トレイルカメラや捕獲器だけでなく、暗視カメラ、マイクロスコープカメラやドロップ式トラップなど高性能な道具を持っている。
一方、ペット探偵に依頼するには以下のようなむずかしさもあります。
・安くはない費用がかかる。探偵社の所在地から遠方だと出張費も必要になる。
・すぐに見つからなかった場合、「猫の捜索に、どこまでお金をかけ続けるか」を悩むようになる。
・スケジュールが詰まっていて、すぐに来てもらえない。
・適切な作業をしてくれるかわからず不安。
②プロの捜し方を調べる
ペット探偵に依頼する前にまず、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」に、いなくなってからの日にち、飼育環境、性格、まわりの環境などを入力して、今のあなたの猫を見つける方法を調べてください。プロである私たちならどう捜すかがわかります。正しい捜し方がわかれば、飼い主さんでも見つけられる可能性は充分にあります。
トレイルカメラや捕獲器が必要な場合は、貸してくれる人がいないか迷子捜し経験者に尋ねてみてください。ネットでも購入できます。
③プロができないこと
一方、ペット探偵ではできないこともあります。
・コメントのやりとりが伴うSNSでの迷子情報発信
・行政機関、動物病院への届出と継続的な確認
これらは必要に応じて、飼い主さんが行うことになります。
④プロに依頼するかどうかの判断基準
チャットボット「迷子を見つける500の方法」で、今のあなたの猫を見つける方法を調べたうえで、以下の場合はプロに依頼されることをご検討されるのがよいと思います。
・作業内容がむずかしく、自分にはできそうにない。
・捜索作業をやりきる時間がとれそうにない。
・トレイルカメラや捕獲器など必要な道具が用意できない。
・居場所はわかっているが捕獲ができない。
依頼されるのであれば、はやいほどよいです。
⑤プロに依頼する前に確認すること
捜索費用と経費だけでなく、以下のことも確認したうえで、依頼先を選ばれることをお勧めします。
・利用規約または契約事項の確認。
思っていたのとは違うと後悔することがないよう、利用規約または契約事項を必ず確認してください。どんな捜し方をしているのか教えてくれない、成功報酬の発生対象が自分が考えていたのとは違う、途中解約ができない、捜しにきてくれないので他のペット探偵社に依頼すると違約金を請求されたといったご相談をいただくことがありますが、そうなることは利用規約に記載してあります。
・いつ来てくれるか。
・うちの猫の場合、どういう作業をしてくれるか。
・契約期間中にどこまでの作業ができそうか。
・来てくれるまでの間に飼い主さんはどの作業を進めておけばよいか。
また、もし契約期間中に見つからなかった場合は捜索作業を飼い主さんが引き継ぐことになりますので、以下のことも確認しておきます。
・捜索に同行すれば捜し方のコツを教えてくれるか。
・迷子チラシの連絡先はペット探偵社ではなく、飼い主さんの携帯電話番号にしてくれるか。(契約終了後、忙しい探偵社さんだと目撃情報を飼い主さんに伝えるのが遅くなることがあるかも知れないため)
・迷子チラシのポスティング記録と、敷地に入って捜した場所やトレイルカメラの設置場所などの捜索履歴を書き込んだゼンリンの住宅地図を渡してくれるか。引き継ぎ資料をもらえないと、ゼロからのスタートになり、それまでの作業が無駄になってしまいます。
健康な猫は犬と違って基本的に警察署、保健所、動物愛護センターなどの行政機関に保護されることはありませんが、怪我や衰弱をしている場合は保護されることがありますので、もしもに備えてはやめに届けを出しておきます。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
①地域の交番・警察署
警察署では、迷子の猫は落とし物(遺失物)として扱われます。
地域の方が迷子を保護した場合は、最寄りの警察署に拾い物(拾得物)として届けることが多いので、昼夜を問わず警察署に確認をしてください。
警察署に迷子の届けがない場合は、届けられたときに知らせてもらえるよう「遺失届」を出しておきます。
警察署では動物を長期間預かることはできないので、保健所または動物愛護センターに移送されます。
②市区町村の保健所・生活衛生課管理係
猫が迷子になった場所の市区町村にある保健所へ連絡して、うちの猫が収容されていないかを確認します。外観が似た猫が収容されている場合は、保健所へ行って確認します。
捜している猫がいない場合は、迷子の届出をしておきます。
警察署や保健所は地域ごとに管轄がわかれていて、情報が共有されていない場合もありますので、いなくなった場所だけでなく、隣接する場所の警察署や保健所にも確認する必要があります。
③都道府県の動物愛護センター
都道府県にある動物愛護センターでは、警察署や保健所から移送された動物が収容されます。
電話で迷子の届けを出してください。写真や特徴の書かれた迷子チラシがあれば、センターで迷子の確認がしやすくなりますので、電話で届けを出したあとに迷子チラシを作成して送りましょう。センターによっては手渡しや郵送だけでなくメールでもチラシを受け取ってくれるところがあります。
④地域の清掃事務所
とても残念なことですが、車にひかれるなどして路上で遺体になった場合、最寄りの清掃事務所に回収され焼却されることがあります。
清掃事務所は道路ごとに異なっていて、国道と高速道路は国土交通省、県道は都道府県、市町村道は市町村と管轄がわかれているため、全ての事務所に確認する必要があります。
回収された場合、通常2日~3日で焼却され記録は残りませんので早めに電話で確認する必要があります。
⑤地域の動物病院
怪我や衰弱をしているところを保護され運び込まれることがありますので、電話で確認します。地域の犬や猫の飼い主さんたちに迷子のことを知っていただくために、迷子チラシを受付に掲示していただけるようお願いに行きます。
具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径5km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
①地域の交番・警察署
保護された猫が連絡先の記載された首輪をしていれば連絡をもらえますが、していない場合やしていても外れてしまっている場合は連絡がもらえません。
警察署に迷子の猫の届出があった場合は、「拾得物」として公開されますので、うちの猫の可能性がある場合は保護されている場所を教えていただき直接確認に行きます。
拾得物の公開方法は自治体によって違いがありますので、警察署で確認をしてください。
②市区町村の保健所・生活衛生課管理係、都道府県の動物愛護センター
保護された猫が連絡先の記載された首輪をしていれば連絡をもらえますが、していない場合やしていても外れてしまっている場合は連絡がもらえません。
保護された猫の情報は公開されますので、うちの猫の可能性がある場合は直接確認に行きます。
収容動物情報の公開方法は自治体によって違いがありますので、保健所と動物愛護センターに確認をしてください。
また、マイクロチップが埋め込まれていても以下の場合は連絡がもらえません。
・登録先が日本獣医師会(AIPO)ではない場合:
ペットショップが日本獣医師会(AIPO)ではなく、自社のデータベースにマイクロチップ情報を登録していた場合、動物病院や行政機関との連携がありませんので、保護されても連絡をもらうことができません。
・飼い主さんの連絡先情報が更新されていない場合:
マイクロチップの登録後に電話番号や住所が変わっていると、保護されても連絡がつかないかも知れません。
うちの猫のマイクロチップが日本獣医師会(AIPO)に登録されているか、電話番号や住所が更新されているかは、環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録>犬や猫の飼い主の方>登録事項の確認・変更 から確認することができます。
③地域の清掃事務所
残念ながら、猫を回収したとしても飼い主さんに連絡することは清掃事務所の業務ではありません。通常、首輪をしていたとしても確認されることはありません。連絡をくださる事務所の方もおられますが、それは担当の方のお気持ちによるものです。
つらいことではありますが、飼い主さんが継続的に確認をする必要があります。
また、個人や法人の敷地内で発見された場合は清掃事務所が回収することはありませんので、記録は残りません。
①しばらくして自力で帰ってくる
・外に出てしばらく歩きまわってから、自分で帰ってくることがあります。
・自宅のすぐ近くに隠れていた場合、しばらくしてお腹がすくと、ひとけのない時間帯に帰ってくることがあります。
・人懐っこい猫の場合は、何日か他所で餌をもらってから帰ってくることがあります。
・自力で帰ってきたときに家に入ることができなかったり、他の猫が邪魔したりすると、また離れていってしまうことがあります。
②隠れてじっとしている
・普段室内だけで生活している警戒心が強い猫が外に出てしまった場合、外の環境や人が怖いため、自宅からとても近い場所に潜り込んでしまいます。
・逃げ出した方向の最初にあった、暗くて狭くて奥が深い場所に潜り込もうとします。そこに潜り込んだらしばらく出てきません。警戒心が強い猫は高い確率で自宅から近い場所に身を潜めています。それこそ、すぐ隣のお宅の物置や軒下に潜り込んでいることも多いです。
・人が入りにくい場所の奥まった隙間に潜り込んでじっとしているので、道から捜しても見つけることが難しく、警戒しているので名前を呼んでも出てきません。数日から数週間、隠れた場所からほとんど出てこない猫もいます。
・隠れている間は水も餌も摂取できませんが、活動しないためカロリー消費が少なく生存することができます。しかしいつまでも何も食べないわけにはいきませんので、やがて水と餌を求めてやむなく恐る恐る、隠れた場所からひとけのない時間帯にこっそり出てきて、また隠れることを繰り返すようになります。水は比較的容易に摂取することができますが、餌場を確保することは容易ではありません。他の猫の生命線としての餌場に新入りとして加わるため、追い払われコンスタントに食べることは難しく、餌を求めて少しずつ移動していきます。
・怪我や衰弱をして、その回復を待つために安心できる場所に潜り込んでいる場合もあります。
③自宅の方角がわからないほど遠くまで移動してしまう
・猫の帰巣本能は個体差があり、少し離れただけでも自宅の方角がわからなくなってしまう猫は多いです。例え外に慣れている猫であっても、他の猫と接触して普段行ったことのない場所へ行ったり、渡ったことのない道路や線路、河川などを渡ってしまったりすると方角がわからなくなり、家に帰ろうとして行き当たりばったりに移動しているうちに迷子になってしまいます。
④もと住んでいた場所に戻っていく
・住み慣れた場所から見知らぬ家に移った場合、不安やストレスからもといた場所に戻りたい衝動で脱走してしまうことがあります。
・もといた場所にたどり着くこともありますが、帰巣本能は個体によって差がありますし、帰る方角がわかっていても激しい車の往来や距離が離れすぎていてすぐにはたどり着けず、食餌を求めて彷徨っているうちに迷子になるケースが多くあります。
⑤どこかの餌場にいつく
・迷子になった猫はトカゲや虫などを摂って飢えをしのぎますが、それだけでお腹いっぱいになることはありませんので、コンスタントに食べられる餌場があればそこにいつくことがあります。
・野良猫や地域猫がいる場所には、餌をあげておられる方がいらっしゃいます。コンスタントに食べられる餌場がないと野良猫は別の場所に移動していきますので、野良猫が定着しているということは、その周辺に餌場があるということになります。
・時間を決めて決めた猫だけに餌をあげておられる方や、餌を出しっぱなしにしてなくなったら追加される方、通勤や買い物途中で餌を置いていかれる方、夜中にこっそり餌を置いてまわられる方など、ひとくちに餌場といってもいろいろなケースがあります。
・時間を決めて決めた猫だけに餌をあげておられるケース以外は、うちの猫が食べにきていても気づかれないこともあります。
⑥他の人に保護される
・地域の方が怪我や衰弱をした猫を保護してくださることがあります。状態が悪ければ動物病院で治療したあと自宅で保護していることもあります。
・警察署や動物愛護センターへ届出してくださることもありますが、どこにも届けずそのまま室内で飼われる場合もあります。
⑦他の人に飼われる
・猫の入手先の32.1%が「野良猫を拾った」という調査結果もあり、仔猫が拾われる場合が多いとはいえ、首輪をしていない迷子の猫が野良猫だと思われ餌をあげてくださった人にそのまま飼われることがあります。室内飼育になった場合は、外で見かけることはなくなります。
(出典)ペットフード協会 令和4年(2022年) 全国犬猫飼育実態調査
⑧地域猫として飼育管理される
・飼い主のいない猫として、ボランティアの方に地域で飼育管理されることがあります。
⑨人が介在して遠くまで運ばれてしまった
稀なケースではありますが、おそらく車の荷台に乗ってしまい3km離れた場所で見つかったケースや、具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースや、拾われて老人ホームでお世話になっていたケースもありました。人が介在した場合に猫は遠方まで移動してしまうことがあります。
⑩行政機関に保護される
・健康な猫は犬と違って基本的に警察署、保健所、動物愛護センターなどの行政機関に保護されることはありませんが、怪我や衰弱をしている場合は保護されることがあります。
・警察署、保健所などに保護された場合は、最終的に都道府県の動物愛護センターに収容され、収容期間が過ぎると譲渡対象とされます。保護団体の方が引き取ってくださる場合もあります。
⑪野良化する
・保護されないまま野良猫化することがあります。
・いったん山林に入り込んだ場合でも、ハンティングだけで飢えをしのぎ続けることは大変なので、置き餌などを求めて住宅地に降りてきて、安定して餌を摂れる場所を見つけ定着します。
⑫死亡する
・とても残念なことですが、事故などによる怪我または病気や衰弱で死亡することがあります。
自宅の近くにいれば、お腹がすいて自分で帰ってくることはありますが、猫の性格といなくなった状況しだいなのでなんとも言えません。
①しばらくして自力で帰ってくる場合
・外に出てしばらく歩きまわってから、自分で帰ってくることがあります。
・自宅のすぐ近くに隠れていた場合、しばらくしてお腹がすくと、ひとけのない時間帯に帰ってくることがあります。
・人懐っこい猫の場合、何日か他所で餌をもらってから帰ってくることがあります。
・自力で帰ってきたときに家に入ることができなかったり、他の猫が邪魔したりすると、また離れていってしまうことがあります。
②猫が自力で帰ってこられない場合
・外の環境や人が怖くて潜り込んで隠れている間は、自力では帰ってこられません。
・自宅のまわりに猫がいると怖くて帰ってこられないことがあります。迷子になった猫のためを思い自宅のまわりに餌やトイレ砂を置いたことで、まわりの猫を呼び寄せてしまい、うちの猫が帰ってこられなくなることもあります。
・猫の帰巣本能は個体差があり、少し離れただけでも自宅の方角がわからなくなってしまう猫は多いです。例え外に慣れている猫であっても、他の猫と接触して普段行ったことのない場所へ行ったり、渡ったことのない道路や線路、河川などを渡ってしまったりすると方角がわからなくなり、家に帰ろうとして行き当たりばったりに歩きまわっているうちに迷子になってしまいます。
・自宅が集合住宅の場合、建物の外に出てしまうと帰ってくることが難しくなります。
・服薬治療中や高齢の猫の場合、具合が悪くなり帰ってこられなくなることがあります。
・自由外出の場合、近所に他にも餌をあげている人がいて、その人が飼い猫とは知らずに家にあげてしまうことがあります。
③猫が帰りたいと思っていない場合
・一時預かりや譲渡直後で家に馴染んでいない場合、新しい人や環境は猫にとってストレスになりますので、もといた場所に戻ろうとすることがあります。
これまで脱走するたびに自ら戻ってきたり、簡単に見つかったりしていると、今回も戻ってくると思いがちですが保証は何もありません。今出来ることは早急に進めてください。
1日に数キロも移動することができる犬と違い、猫は遠くまで歩き続ける身体の構造にはなっていません。遠くまで移動したとしても1日に300メートルほどです。また目的地に向かって一直線というよりは、でたらめに動きまわる傾向があります。
迷子になった猫が移動する理由として以下のものがあります。
・他の猫や人に追われてやむを得ず
・安心して隠れられる場所を求めて
・安定して摂れる水と餌を求めて
・自宅、またはもといた場所に帰ろうとして
・他の猫についていって
・避妊・去勢していなければ発情して
いつまでも移動を続けるのではなく、およそ1ケ月前後で安心できる場所と安定して食餌を摂れる餌場を確保し、そこに留まる傾向があります。
これはよく聞かれる質問ですが、猫は生き物ですので一概には言えません。猫の体力や季節、まわりの環境によって違ってきます。
・猫は暑い日は風通しのよい日陰を、寒い日は日当たりがよくて風の通らないところを見つけて暑さ寒さをしのいでいます。
・警戒心が強く、外で暮らした経験がない、または室内だけで生活している年数が外で暮らしていた年数よりも長い猫が外に出てしまった場合、高い確率で自宅から近い場所に身を潜めています。数日から数週間ほとんど動かずにじっとしている猫もいます。
隠れている間は食餌を摂ることができませんが、活動していないためカロリー消費が少なく、数日は衰弱することもありません。食べるものがない屋根裏に隠れていた猫が2週間後にぶじに保護されたケースもあります。
しかしいつまでも何も食べないわけにはいきませんので、やがて水と餌を求めてやむなく恐る恐る、隠れた場所からひとけのない時間帯にこっそり出てきて、また隠れることを繰り返すようになります。
水は比較的容易に摂取することができますが、餌場を確保することは容易ではありません。他の猫の生命線としての餌場に新入りとして加わるため、追い払われコンスタントに食べることは難しく、餌を求めて少しずつ移動していきます。
・置き餌などの食餌を摂ることができない状況が続くと、生きるためにハンティングを行います。ネズミなどの哺乳類、鳩・スズメなどの鳥類、トカゲ・カエルなどの爬虫類、昆虫類を捕食します。
・どこかの餌場に定着したり、誰かから餌をもらったりしていることもあります。
猫に餌をあげてくださる人は多く、完全室内飼育で外を知らずに育った猫でも飢えてくれば野生の狩猟能力を発揮し生き延びます。
ただし、厳しい暑さ寒さと空腹が続くと体力を奪われますので、できるだけはやめに保護できるよう作業を進めてください。
アメリカンショートヘア
アメリカンショートヘアは迷子になると、広範囲に移動していくよりも、近中距離内を歩きまわる傾向があります。ハンティング能力が高くネズミやトカゲ、カエルなどを捕食できるため、置き餌を求めて移動する必要がないためかも知れません。いなくなってすぐは、いなくなった場所のごく近くを徹底的に捜してください。
他の猫に自ら近づき、ちょっかいをかけたり追いまわしたりしながら移動してしまうことがあります。近くを捜しても見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていってください。
アメリカンショートヘアは縞模様に特徴があるので、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
スコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドは、閉め忘れた玄関や窓から積極的にというよりもなんとなく外に出てしまい、移動せずに自宅近くでぼんやりしているところを発見されるような傾向があります。いなくなってすぐは、いなくなった場所のごく近くを徹底的に捜してください。
他の猫と接触して追われたり、ふらふら歩いて自宅から少し離れたりしてしまうと家の方角がわからなくなり、餌場を求めて移動してしまうことがあります。近くを捜しても見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていってください。
あまり警戒心が強くない性格の場合は誰かに保護されていることもあります。
スコティッシュフォールドは耳や丸みを帯びた身体、短いしっぽといった身体的な特徴があるので、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
マンチカン
マンチカンは迷子になると、しばらくの間は安心出来る場所に潜みまわりの状況を観察していますが、好奇心旺盛なためにはやめに移動をはじめます。これまでの発見事例では近くから遠くまで様々な距離で発見されており、個体により行動パターンが異なっています。そのため近場にいつまでも固執せず、はやめに捜索範囲を拡げていく必要があります。
マンチカンは短足の場合はわかりやすい特徴になるので、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
ロシアンブルー
ロシアンブルーは迷子になると、慎重な性格からしばらくの間は安心出来る場所に潜み、まわりの状況を観察しています。いなくなってすぐは、いなくなった場所の近くを徹底的に捜してください。闇に溶け込む毛色のため、近くにいるのに目撃されないケースもあります。
まわりの安全が確認出来ると動きはじめますが、ひとめにつかない場所や時間帯に慎重に行動します。近くを捜しても見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていってください。
ロシアンブルーは特徴のある毛色とシャープな体型のため、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
ペルシャ
ペルシャは迷子になると、落ち着ける場所を見つけてその場所に留まり、狭い範囲内で過ごしている傾向があります。いなくなってすぐは、いなくなった場所の近くを徹底的に捜してください。近くを捜しても見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていってください。
ペルシャは長毛でとても目立つ外見なので、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
メインクーン
メインクーンは迷子になると、好奇心旺盛で外界の様々なものに対して興味を持ち行動する傾向があり、時には遠距離まで移動してしまいます。防水効果が高い被毛なので雨天時にも行動していることがあります。猫にしては呼び戻しがきく種類なので、自宅近くにいるうちは飼い主さんの呼びかけに反応して自ら帰ってくることもあります。
メインクーンは立派なしっぽやフサフサした毛などの特徴があるので、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。遠距離まで移動していることもあるため、広範囲のポスティングが必要になることがあります。
ノルウェージャンフォレストキャット
ノルウェージャンフォレストキャットは迷子になると、好奇心旺盛で物怖じしない大胆な性格のため、まわりの環境に慣れてくるとはやいタイミングで動きはじめる傾向があります。高所を好む傾向があるため、屋根や木に登ったり塀の上を伝ったりして移動します。ダブルコートの被毛は防水効果も高く寒さにも強いため、雨天時でも餌場に現れたりします。名前の呼びかけにも反応してくるタイプなので、近くにいる間は深夜から夜明け前に自宅敷地内から外に向かって声がけすることによって自ら帰ってくることがあります。
ノルウェージャンフォレストキャットは、警戒心も強くないため人前に姿を現しますし、長毛でしっかりとした体格といった特徴もあるため、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
シャム
シャムは迷子になると、慎重な性格からしばらくの間は安心出来る場所に潜み、まわりの状況を観察していますが、好奇心が旺盛なためはやいタイミングで動きはじめる傾向があります。動きはじめても、どんどん遠くへ移動することなく狭い範囲内を慎重に行動する傾向があります。高所を好む傾向があるため、屋根や木に登ったり塀の上を伝ったりして移動します。冬場に脱走した場合は、日当たりのよい場所や室外機の上で身体を温めています。
顔、足先、しっぽの毛色が濃いといった身体的な特徴があるため、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
ベンガル
ベンガルは迷子になると、隠れてじっとしているよりは、すぐに動きはじめる傾向があります。パワー、スピード、ジャンプ力とも身体能力が突出しており、他の猫を追いかけたりします。スタミナがあるため広範囲に移動することがあり、捜索作業範囲が広範囲になることがあります。近くを捜しても見つからない場合は、迷子チラシのポスティングをはじめる必要があります。
ベンガルは特徴的なヒョウ柄をしており、人前にも臆せず現れるため、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。またお腹が空いて自ら人に寄り付き保護されるケースもあります。
アビシニアン
アビシニアンは迷子になると、しばらくの間は安心出来る場所に潜みまわりの状況を観察していますが、じき慣れてきて動きはじめます。好奇心旺盛ではありますが慎重な面もあるため、静かになる時間帯に活動します。動きはじめると、身体能力が高いためどこにでも現れ、濡れることをいとわず雨の日でも餌を求めて活動していることがあります。
夜間にひとめを避けて活動していると目撃されにくいですが、アビシニアンは短毛で印象的なスリムが体型をしているため、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。いなくなった場所周辺で活動していることが多いため、近場から徐々に迷子チラシのポスティング範囲を拡げていってください。
ソマリ
ソマリは洞察力が高く慎重な面があるため迷子になると、まわりの環境を充分に把握してから行動に移る傾向があります。ひとめや車などを避けて静かな場所に潜み、物音がしない深夜帯になってから行動する傾向があります。雨天時でも餌を求めて行動していることがあります。広範囲に移動するタイプではないので、いなくなった場所の近くを徹底的に捜してください。近くを捜しても見つからない場合は、徐々に捜索範囲を拡げていってください。
ソマリは長めの被毛と塀の上を歩いている時の綺麗なフォルムが印象的で、迷子チラシから信憑性の高い目撃情報が得られる可能性が高いです。
自宅で暮らしているときは、飼い主さんや同居猫との関係性からそれぞれに個性があると思いますが、外に出て迷子になるとその行動に毛色による違いが出てくるようです。私たちはこれまでの捜索経験から、以下のような印象をもっています。
茶トラ
大らかでおとなしくおっとりとした温厚な性格で人に対しても従順です。食欲は旺盛で比較的トラップに入りやすい傾向にあります。オス猫は時に予想外の遠距離まで移動することがあります。
茶トラ白
飼い主には甘えん坊で知能が高い印象です。好奇心旺盛ですが慎重で臆病な一面もあります。
キジトラ
好奇心旺盛で賢く人懐っこい印象です。食欲は旺盛で餌を使った誘き寄せにはよく反応してきます。生粋の野良は野生的でタフな印象があります。
キジトラ白
人懐っこく甘えん坊でフレンドリー。知能が高く好奇心旺盛で活発な印象です。
ミケ
知能が高く冷静で分析力に優れている。とても慎重で捉えどころのない印象があります。
サビ
わがままで気が強い反面とても警戒心が強く神経質で臆病。捜索対象としては一筋縄ではいかないタイプです。見知らぬ人や猫に対しては寄せつけない傾向があります。
黒
好奇心旺盛でマイペース。大胆さと慎重さがミックスされ予測不能の行動をすることが多々あります。
黒白
好奇心旺盛で活発ですが警戒心が強く臆病な一面もあります。食欲旺盛で餌による誘き寄せに反応してきます。個体によってはとてつもなくタフで攻撃的な場合もあります。
白
最も捉えどころのない独特の世界観の中で生きている印象があります。予想を覆す行動をする場合が多いタイプです。
自由外出猫のオスとメスでは普段の生活圏の広さに違いがありますが、これと迷子になってからの移動距離はまったく別のものと考えてください。
自然豊かな環境であればオスとメスの行動範囲に差がありますが、住宅地では車の交通量の多さ、適した住処の少なさ、与えてもらえる餌場等の事情により、狭い範囲の中で他の猫と生活圏を分かち合いながら猫たちは生きています。迷子になった猫は、すでにできあがっている他の猫たちの生活圏に入っていくことになりますので、よく言われる「オスのメスの移動距離の違い」は、迷子を捜す場合にはそのまま当てはめることができません。
また他の猫との接触など突発的なできごとや、近くに安心して身を隠す場所が見つからないなど、さまざまな要因が移動距離に影響を与えます。
迷子捜しでは性別による違いよりも、これまでの生い立ち、今の生活環境、性格、まわりの環境、いなくなってからの日にちによって行動パターンと移動距離が違ってくることを考慮して、捜索範囲を決めていく必要があります。
①仔猫期(0-6ケ月)
母親と行動を共にしている期間なので、餌をキープ出来る場所を基点とした仔猫に負担のない狭い範囲で暮らしています。体の小さい仔猫が行方不明になってしまった場合、一帯をテリトリーとしている成猫に攻撃されて、安心できる場所に隠れそこから動けずにしばらく留まっているか、追われてやむをえず移動します。
若さゆえに好奇心も旺盛なため、物音や気配を確認しに隠れている場所から出てきてはまた潜むというような行動パターンになります。生まれながらに生得的に備わった感覚、母猫から教わった知識はありますが、まだ経験値が少ないため判断能力は劣ります。
失踪直後は自宅付近に隠れている可能性が高いので、懐中電灯を使って徹底的に潜り込めそうな箇所を確認してください。
②成猫期(7ケ月-10歳)
テリトリー意識が芽生え体力的にも自信がある年齢なので、本能に従い精力的に行動します。潜伏場所、餌場、他の猫との関係性等により変化しますが、生涯を通して最も活発に行動する傾向にあります。特に発情による異性間との交流、テリトリー内の巡回や争い、餌場の確保、子育てに関連した行動が主になります。
③高齢期(11歳-14歳)
心身共に落ち着いた行動パターンになってきます。好奇心によって行動することも少なくなり、日常と同じサイクルで過ごすことを好む傾向にあります。異性を積極的に求め移動したり、テリトリー争いをしたりする機会も減り穏やかに生活するようになります。
④後期高齢期(15歳以上)
高齢になり足腰が弱くなっていると、高い場所に上がったり、遠くに移動したりすることができなくなります。死期が迫ってきた時に普段は寝てばかりいる猫が急に外に出て姿を消してしまうことがありますが、自分の死期を察してというよりは本能的に外敵から身を守るためより適した潜伏場所を求めての行動だと思われます。
また服薬治療中で薬が切れるとすぐに重い病気の症状が現われる猫の場合は、遠くには行けずいなくなった場所のごく近くで安心出来る場所を見つけて潜り込もうとします。
具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径5km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
年齢による行動パターンに関しては個体差があり、性格や身体的な要因により異なります。高齢の猫が想像したよりも遠方まで移動していたり、若く身体能力にも恵まれた猫がほとんど移動せずに近場で発見されたりするケースも頻繁にあるため、年齢だけでなく、これまでの生い立ち、今の生活環境、性格、まわりの環境、いなくなってからの日にちなども考慮し、捜索範囲と作業内容を決めていきます。
服薬している薬の効果が薄れ具合が悪くなると、回復を待つために人や他の動物が来ない暗くて狭くて奥が深い場所を見つけて潜り込みます。
薬が切れるとすぐに重い病気の症状が現われる猫の場合は、遠くには行けず、いなくなった場所のごく近くで安心できる場所を見つけて潜り込もうとします。
服薬治療中の猫が行方不明になった場合、多くの飼い主さんが「薬が切れるとすぐに具合が悪くなるので、もう亡くなっているかもしれない」とネガティブに捉えがちですが、日数が経過して発見された場合でも健康面に問題がない場合も多々あるため、落ち着いて着実に作業を進めてください。
具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径5km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
最近の首輪は、木の枝などに首輪がひっかかってしまったときに首吊りにならないよう、暴れるとはずれるセーフティーバックル付きのものが主流になっています。
ピンバックル式、シュシュなどの伸縮式、紐式、どれも猫が自分ではずしてしまうことがあります。
いなくなって日にちがたつほど、首輪がはずれてしまっていることが多くなります。私たちも捜索途中ではずれた首輪だけを見つけることがあります。
迷子チラシには首輪特徴の記載の下に小さく「はずれているかも知れません」を記載するようにします。これがないと、首輪がはずれていた場合に違う猫だと思われ目撃情報がもらえなくなるリスクがあります。
リードをつけて散歩中に逃げ出してしまうケースがとても多いです。
大きな音がした、人や犬が通りがかったなど、ちょっとしたきっかけでパニックになり暴れ、静止できない状態になりそのまま失踪してしまいます。猫は一度暴れ出すとリードがついていても制御することができません。
①リードがついたまま迷子になるとどうなるか
・リードを取り付けた首輪が引っ張ると外れるセーフティバックルつきの首輪の場合、リードが枝などに絡まって首輪と一緒に外れてしまっているケースが多いです。
・リードをハーネスに取り付けていた場合は、首輪よりは外れにくいですが、猫は身体が柔らかいのでハーネスから抜け出していることがあります。
・リードが外れることなくついたままの場合、枝や狭い場所に引っかかり、外そうと暴れているうちに身体に巻きついて動けなくなってしまうことがあります。
失踪地点近くで、はずれたリードや、リードが絡みついて動けなくなっている猫を発見する事があるため、近場から隙間をあけることなく一箇所ずつ確実に懐中電灯を使い確認してください。
リードがついたままの状態で保護した場合、暴れてまた同じ事を繰り返してしまう恐れがあるため、キャリーバッグに入れて連れて帰ってください。
②迷子チラシ
チラシを作成するさいの注意点として、装着していればかなりの目印になりますが、はずれている可能性もあるため、その旨一言文章に添えるようにしてください。
③届出
リードがついたままの猫は、一目で迷子とわかりますし、リードを踏むことで捕獲が容易になるため、どなたかが保護して行政機関に届けてくださっている場合もあります。地域の交番・警察署、保健所、動物愛護センターにすぐに問い合わせをしてみてください。
猫どうしは好んで争ったりはしませんので、多くの場合は出会ってもお互いに距離を取りやりすごします。
①ただ、近所に野良のボス的な猫がいる場合は、自分のテリトリーから出ていくように追い払われることがあります。近所の聞き込みをするさい、最近猫の争う声を聞かなかったかも確認します。
②もし野良猫や地域猫がたくさんいる場合は、近くに餌場があります。うちの猫が他の猫とコミュニケーションが取れるようであれば、餌場にいつくかも知れません。餌が出しっぱなしになっている場合は、他の猫がいない間に食べているかも知れません。餌をあげておられる方が、「新しい猫は来ていない」と言われる場合でも、その方が見ていない時間帯に食べに来ていることはありますので、できれば許可を得て餌場にトレイルカメラを置かしてもらいましょう。
③もし近所にうちの猫と似た毛色・柄の猫がいる場合は、その猫の目撃情報が入ってくるようになりますので、その猫とは違ううちの猫の特徴を強調する迷子チラシのデザインにする必要があります。
イエネコの祖先は単独性のリビアヤマネコになり、先祖から身体的能力や思考において濃い影響を受けてはいますが、柔軟に変化して人や同種の猫たちと共存出来る社会性を身につけてきました。
単独性の野生種に比べイエネコの場合は個体密生度が高い生活環境で生活しているため、同種の猫に対して(体力、知力、地位)等を(外見、匂い、ボディランゲージ)などで分析し、また他の猫同士の接触を客観的に観測して自身に当てはめ優劣を推論しています。
また尿による情報交換、更に刺激臭と分泌物が含まれるスプレー、爪とぎの際に指間腺から分泌される臭い、体の皮膚から分泌される皮膚腺、糞便等によるコミュニケーションを利用しています。
猫は水に濡れるのを嫌がりますので、雨をしのげる場所に潜り込んでじっとしています。そのため雨の中を捜し歩いても見つかりません。
雨が降っている間は移動していくこともありませんので、雨があがってから捜してください。
猫は暑い日は風通しのよい日陰を、寒い日は日当たりがよくて風の通らないところを見つけて暑さ寒さをしのいでいます。
・夏の日中は、車の下、日陰になった塀の上、屋根裏、縁の下など風通しのよい日陰で休み、夕方から朝方にかけて行動します。
・冬は比較的暖かい日中に行動し、夜は倉庫、資材置場、床下など風があたらない暖かい場所をねぐらにしています。
ただし、暑さ寒さが続くと体力を奪われますので、できるだけはやめに保護できるよう作業を進めてください。
地域で虐待の噂があったりするとご心配ですね。
ただ私たちの経験上、いなくなってすぐに正しく捜せばほとんどの猫は見つかっていますので、誰かに連れていかれたかもと過度に心配される必要はないと思います。そもそも外にいる猫を捕まえることは簡単ではありません。
いなくなって日にちがたつと、どこかで餌をもらっていたり、家にあげられ飼われていたりすることはあります。
近所を捜しても見つからないと、「誰かに連れていかれかのでは」「車の荷台に乗ってしまったのでは」「どんどん遠くに行ってしまうのでは」とご心配されて、遠くまで捜しに行かれる飼い主さんのお気持ちはわかりますが、その前にご近所の敷地に入れさせていただいての目視や、迷子チラシのポスティングなど、今の状況に応じてやるべきことがありますので、まずそれらを確実に進めてください。
猫は住居敷地内に隠れていたり、庭や家と家の間の塀の上など道路からは見えにくい裏手で行動したりしていることが多いため、道路から見つけるよりも住人の方が自宅で目撃する可能性のほうが高いです。
また、猫が移動して捜索範囲がひろくなってしまっている場合は、ひとりで捜し歩いても出会えるのは運頼りになってしまいますので、道から目視で捜しながら、迷子チラシをポスティングしていきます。迷子チラシをポスティングすることで、捜し歩いたときには出会えなくても、地域住民の方が見かけたら連絡をくださる体制ができあがっていきます。隙間なく迷子チラシをポスティングすることで地域に網を張り、どこに移動しても目撃されるような状況を作っていきます。
万一、怪我や病気で衰弱しているところを保護してくださった方がいれば、その猫が捜している猫であることを知っていただくこともできます。どこかの餌場に寄りついていれば、その猫が捜している猫であることを知っていただくこともできます。
迷子チラシの目撃情報から保護に繋がるケースはとても多いです。
迷子になった猫が自由外出で外に慣れている場合や、外出先で迷子になりどの方向に向かったかがわからない場合は捜す範囲がひろくなってしまいますので、ポスティング用の迷子チラシが準備できるまでの間、いなくなった場所周辺にコンビニなどでプリントした自作の迷子チラシを貼り、目撃情報を募ります。
(1)迷子チラシの貼り方
①ポイント貼り
犬の散歩コースや買い物などで人が集まるポイントに貼っていきます。1ヶ所で多くの人に見ていただけるので効率がよいです。
②放射貼り
猫がいなくなった場所を中心に、北/北東/東/南東/南/南西/西/北西と八方位に放射状に外に向かって貼っていきます。目撃情報が入れば移動している方角を絞り込むことができます。目撃情報が入った場所を中心に円形貼りとポイント貼りを併用します。
③円形貼り
猫がいなくなった場所を中心に円で囲むように貼っていきます。包囲網のイメージです。目撃情報が入れば移動している方角を絞り込むことができます。目撃情報が入った場所を中心に円形貼りとポイント貼りを併用します。
3つすべての方法を組み合わせて貼っていくことが望ましいですが、人手が足りない場合は、想定される移動距離から貼り方を選びます。
Google マップで、以下のような人が集まる場所をピックアップしておおよその枚数を見積もります。
・具合が悪くなると運び込まれる 動物病院
・買い物で多くの人が訪れる コンビニ、スーパーや飲食店
・ペットの飼い主さんが訪れる ペットサロン、ペット用品ショップ
・自治会の 集会所、掲示板、ゴミステーション
・多くの人が住んでいる マンションの掲示板
・地域の方が訪れる 幼稚園、保育園、習い事の教室、お寺、神社
・地域をまわる 新聞配達所、郵便局、宅配便配達営業所、ポスティングセンター
(2)動物病院
怪我や衰弱をしているところを保護され動物病院に運び込まれることがあります。具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径5km圏内のすべての動物病院に迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
(3)注意すること
①無許可で電柱などに貼ることはできませんので、動物病院とコンビニ、スーパー、飲食店、ペットサロンなど人が集まる場所に無理のない範囲でお願いして貼っていただきます。
貼った場所はすべて地図に記録しておきます。
②迷子チラシの貼り出しをお願いするさいは掲示する期間を伝えるようにしてください。
③捜索を手伝ってくださる方にも迷子チラシを無断で街頭に貼ってはいけないことを周知してください。地域の方とのトラブルになり、捜索作業を続けるのが難しくなってしまうことがあります。
※ 無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る行為は軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
はじめて迷子チラシを作成される飼い主さんは、うちの猫のことを少しでも多く知ってもらいたくて、写真や文章をたくさん書いてしまいがちですが、これは逆効果です。写真や文章が多すぎると結局なにも覚えてもらえず、見かけても連絡がもらえなかったり、色が似ているだけの猫の目撃情報に振りまわされたりすることになります。
例えば、うちのキジトラ猫の特徴がカギしっぽと右耳カットだった場合、「しっぽの曲がったキジトラ猫」と大きく書き、しっぽと耳カットがわかる写真を添えます。それ以外の情報を割愛することで、キャッチコピーである「しっぽの曲がったキジトラ猫」を覚えていただきます。また迷子チラシには、目撃情報の信憑性をあげるために「できれば写真を撮ってください」と記載します。
(ご参考)情報を絞ったシンプルな迷子チラシのデザインの参考に
ペットレスキューでも、似た猫を見かけた人が迷わず電話をくださるような、シンプルな迷子チラシのデザイン・印刷のご依頼をお受けしておりますので、お申し付けください。
連絡先として掲載するものの種類は、携帯電話番号、固定電話番号、メールアドレス、LINE アカウント、ツイッターアカウントなどがありますが、携帯電話番号を掲載されることをお勧めします。迷子チラシを見て連絡をくださるのはご年配の方も多く、メールやSNSのアカウントでは連絡がもらえないことがあります。
また飼い主さんのお名前の掲載も必要です(カタカナの名字で大丈夫です)。
私たちが出張捜索で迷子チラシをつくるさいも、飼い主さんの携帯電話番号と担当のペット探偵の携帯電話番号を記載するようにしています。
電話番号と名前という個人情報を開示することへの心配があるとは思いますが、これまでの経験では、いたずらや悪意をもった電話がかかってくることはほとんどありません。
よくある質問ですが、迷子チラシに謝礼を記載することはお勧めしません。
理由として、
(メリット)
・迷子チラシを見た「猫に関心がない人」にも関心をもっていただける。
(リスク)
・謝礼につられて、寄せられる誤情報が増える。捜している猫に似ていようが似ていまいが「猫を見た」というだけで電話をかけてくる人もいます。
・謝礼めあてに、深夜に集団で捜しまわったり、捕まえようと追いまわしたりする人が現れる。その結果、地域住民とのトラブルが起きその後の捜索に支障をきたすことや、猫が遠くに移動してしまう場合があります。
そもそも謝礼の有無とは関係なく、似た猫を見かけたら連絡をくださる方がほとんどです。謝礼を記載しても有益な情報が得られる可能性はあまり変わらず、リスクだけが高くなりがちです。
目撃情報を得るために、迷子チラシはゼンリンの住宅地図に記録しながら1軒の漏れもないようにポスティングすることが大切です。
ポスティングの範囲は、目撃情報が入ってくるまで拡げていきます。
目安としていなくなってから
・7日以内であれば半径300mまで
・1ケ月以内であれば半径500mまで
・1ケ月以上であれば半径1kmまで
漏れなくポスティングします。
一戸建ての多い住宅地であれば、半径300mでおよそ1,000枚必要になります。
迷子チラシには、ポスティングしやすい B5 サイズ・薄紙(73kg)、写真がきれいな光沢紙(コート)が適しています。
注文してから手元に届くまでに早くても2~4日かかりますので、うちの猫が見つかり無駄になったらよかったと思い、はやめに注文します。
ラクスル、グラフィック、プリントパックなどはネットで印刷を発注することができ、納期もはやいです。
(ご参考) ご自宅から半径300mに何世帯あるかは、ポスティング業者さまのサイトからお調べいただくこともできます。
ペットレスキューでも、似た猫を見かけた人が迷わず電話をくださるような、シンプルな迷子チラシのデザイン・印刷のご依頼をお受けしておりますので、お申し付けください。
(1)ポスティングの進め方
①日中、迷子チラシを猫がいなくなった場所周辺全戸に、近場から1軒の漏れもないようポスティングしていきます。お住まいの方にお話を聞きながらでは時間がかかりますので、郵便受けに次々入れていきます。ポスティングをしながら庭先などを目視で捜します。
②闇雲にポスティングせず、ブロックごとにポスティングを進め、ゼンリンの住宅地図にポスティングした家、空き家など猫が隠れそうな場所、外猫の特徴と居場所の情報を書き込みながら計画的にポスティングをします。
庭先などに猫用の餌皿が置かれた餌場を見かけた場合は、その場所をゼンリンの住宅地図に記録し、できれば餌を管理されておられる方に直接迷子チラシを手渡しし、猫を捜していることを伝えます。状況によっては餌場に2日ほどトレイルカメラを設置させていただけるようお願いをします。
③チラシの投函が禁止されているマンションは、掲示板に迷子チラシを貼っていただけるよう管理人さんにお願いしてみてください。
④郵便受けに「チラシお断り」と表示されている場合は投函を控えます。また、チラシや郵便物が詰まっている郵便受けへは投函しません。
⑤目撃情報が入ってくるまで、広い道路や川向こうは後回しにして、全方向にチラシのポスティング範囲を拡げていきます。
⑥迷子チラシのポスティングは、100枚におよそ1時間かかります。お手伝いをお願いできる人がいたら、手分けして進めてください。
迷子チラシのポスティングを人にお願いするさいは、ポスティングして欲しいブロックをマーカーペンで囲ったゼンリンの住宅地図を一緒に渡して、ポスティング記録を書き込んでいただくようお願いしてください。ポスティングが完了したら住宅地図を回収します。住宅地図で全体のポスティング記録を把握できるようにしておかないと、どこにポスティングしたのかがわからなくなります。
(2)ポスティングでトラブルにならないための注意点
ポスティングをすること自体は違法ではありませんが、投函禁止が表記されている住宅に配布することや、集合住宅などで管理者の意思に反した投函をした場合にクレームになってしまう場合があります。
そのため、ポスティングがクレームにつながってしまうリスクを意識し、ルールやマナーをしっかりと守りながら実施するようにします。
①トラブルにならないよう注意すること
・一戸建て住宅で「チラシお断り」と表記されている場合は投函を控えます。
・集合住宅で「チラシお断り」と表記されている場合は、管理者の許可をいただいてから投函するようにします。
・不審者と見なされないように、夜間ポスティングは避けます。
②クレームになった場合の対処法
・謝罪する
・チラシ回収
・今後投函をしないことを約束する
①ドコノコ「迷子猫捜しマニュアル 」 28ページをご参照ください。
②迷子チラシのポスティングは、100枚におよそ1時間かかります。お手伝いをお願いできる人がいたら、手分けして進めてください。
迷子チラシのポスティングを人にお願いするさいは、ポスティングして欲しいブロックをマーカーペンで囲ったゼンリンの住宅地図を一緒に渡して、ポスティング記録を書き込んでいただくようお願いしてください。ポスティングが完了したら住宅地図を回収します。住宅地図で全体のポスティング記録を把握できるようにしておかないと、どこにポスティングしたのかがわからなくなります。
住宅地図は、ゼンリンが販売する、地名と1軒ずつ表札の名前が記載された白地図です。全国が網羅されており、横約610m×縦約380mのエリアがA3サイズに記載されています。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンにあるマルチコピー機を操作して必要なエリアを選択し、プリントアウトします。1枚 400円(税込)。捜索範囲が A3 1枚で収まらない場合は、範囲をずらして印刷して貼り合わせ、大きな地図を作ります。
5:05 から購入方法をわかりやすく解説しています。
迷子チラシのポスティングは、単にチラシを郵便受けに投函するだけでなく、目視で捜したり、餌場や毛色の似た猫の分布の把握、猫が隠れそうな場所の目星をつけたりするなど、猫を見つけるために重要な作業が含まれますので、時間がかかってもゼンリンの住宅地図に記録をつけながら、ぜひご自身、ご家族で行ってください。
おおよその目安ですが、100枚ポスティングするのに1時間ほどかかります。
ただ、ポスティングの範囲が広く 5,000枚を超えるくらいの枚数になり、ご自身やご家族だけでのポスティングが困難な場合は、地元のポスティング業者さまへ依頼をご検討されることも必要になってくるかも知れません。
そこでご参考までに、一般的なポスティングサービスの種類をご紹介させていただきます。地域によって依頼できるサービスの内容は異なりますので、ネットなどで検索して、配布エリア、配布方法、配布完了希望日、料金などの打ち合わせを行ってください。今後の捜索のために、配布完了後に配布記録を提出してもらうよう依頼しておくこともお勧めします。
①新聞折込
新聞販売店を基点として配布エリアが選定されます。新聞の購読率は若い世代を中心に年々減少し、現在は約6割になっています。配布完了日は交渉にもよりますが、通常1~2週間後となるようです。
②ポスティング業者さま
他社のチラシや雑誌と一緒に配布してくれます。町丁目または市区町村単位で配布エリアを指定できます。ポスティング業者さまが判断した投函禁止物件や、チラシや郵便物が詰まった郵便受けへは投函しませんので、エリア毎の配布数は世帯数の5~7割となるようです。配布完了日は交渉にもよりますが、通常1~2週間後となるようです。
③便利屋さま
単独ポスティング。要望に応じてお客様のチラシを単独で配布してくれることがあります。交渉次第で翌日からのポスティングを依頼できることもありますが、費用はそれなりにかかるようです。
ポスティング以外にも、地方紙や新聞への迷子情報掲載といった方法もありますので、ご検討ください。
目撃情報の電話はいきなりかかってきます。かかってきたときに慌てないよう、予め以下の項目を手帳などにメモして、いつでも取り出して見られるようにしておくと便利です。
電話がかかってきたら丁重にお礼をしてから、以下の聞き取りとお願いをします。
①迷子チラシを見た方から電話がかかってきたら、目撃日時(いつ見たか、いつから見かけるようになったか)、目撃場所、目撃したときの様子、どこからどこへ向かって行ったかを聞き取ります。猫の特徴は、こちらから「右耳がさくらカットでしたか?」などと誘導するような質問をせずに、先方の覚えておられることを教えていただくようにします。
②写真がある場合はSMSなどで送ってもらいます。写真で確認することで信憑性が高まります。
③電話をくださった方の名前を聞き、こちらからも連絡させてもらえるようお願いし関係を維持します。もしまた見かけたら写真を撮っていただけるようにお願いをします。
④スマホの電話帳に保存した連絡先に、「目撃情報 曙1丁目ヤマダさま」などと情報を追加しておくと、次回かかってきたときに、誰からの電話かがわかりやすくなります。
迷子チラシをポスティングしているのに目撃情報がまったく入ってこない場合は、以下の原因が考えられますので、それぞれに対策をとっていきます。
①迷子チラシのポスティングに漏れがある
迷子チラシをポスティングしていないお宅の庭や軒下にうちの猫がいた場合、そのお宅にお住まいの方に目撃されていても連絡がもらえません。
>ゼンリンの住宅地図に記録しながら、再度1軒の漏れもないようにポスティングをします。
②怖くて隠れているため、目撃されない
警戒心が強く人や外の環境が怖くて隠れている場合、数日から数週間、隠れた場所からほとんど出てこない猫もいます。目撃情報がないのは遠くに移動したからではなく、近くに隠れてひとけのある時間帯に出てこないために目撃されていないケースがあります。
>近隣の敷地に入れさせていただき、軒下、物置の中、簡易物置の下、ウッドデッキの下など猫が潜り込めるスペースを懐中電灯を使い徹底的に捜してください。
>いつまでも隠れて何も食べないわけにはいきませんので、やがて水と餌を求めて恐る恐る、隠れた場所からひとけのない時間帯にこっそり出てきて、また隠れることを繰り返すようになります。出てくればいずれ人目につきますので、いなくなった場所周辺に迷子チラシを漏れなくポスティングして情報を待ちます。
③迷子チラシをポスティングした範囲を出てしまっている
他の猫に追われたり、落ち着く場所や餌を求めて、または家に帰ろうと間違った方角に移動を続けたりしているうちに、迷子チラシをポスティングした範囲より外に出てしまっていることがあります。
>ポスティングの範囲を目撃情報が入ってくるまで拡げます。
目安としていなくなってから
・7日以内であれば半径300mまで
・1ケ月以内であれば半径500mまで
・1ケ月以上であれば半径1kmまで
漏れなくポスティングします。
外に慣れている猫ほど移動することに躊躇がありませんが、猫はどこまでも移動を続けることはなく、およそ1ケ月もしないうちにコンスタントに食餌が摂れる餌場を見つけ、そこに定着します。
④うちの猫の特徴が覚えてもらえない
特徴が覚えてもらえない、またはもともと似た猫がいるのでその猫と思われ連絡がもらえない。
>うちの猫の特徴を覚えてもらいやすい迷子チラシに作り変えます。
(ご参考)情報を絞ったシンプルな迷子チラシのデザインの参考に
ペットレスキューでも、似た猫を見かけた人が迷わず電話をくださるような、シンプルな迷子チラシのデザイン・印刷のご依頼をお受けしておりますので、お申し付けください。
⑤迷子チラシを受け取った方に目撃されているのに連絡がもらえない
迷子チラシを見て心配してくださるのはご年配の方も多く、メールアドレスやSNSのアカウントでは連絡がもらえないことがあります。連絡先がペット探偵社のフリーダイヤルになっていると、契約終了後忙しい探偵社さんだと目撃情報を飼い主さんに伝えるのが遅くなることがあるかも知れません。
>連絡先を飼い主さんの携帯電話番号に変更した迷子チラシに作り変えます。
⑥迷子チラシが捨てられている
日にちがたち迷子チラシが捨てられてしまい、連絡先の電話番号がわからなくなっている。
>2週間以上間隔を開けて、もう1度だけ同じ地域に迷子チラシをポスティングします。
⑦どこかのお宅で保護、または飼われてしまい外を出歩いていない
首輪をしていない、または外れてしまった場合、餌をあげてくださる方が野良猫と思い、そのまま室内で飼育されるケースがあります。そうなると外を出歩くことがなくなるため、目撃情報が入ってきません。老人ホームや倉庫の敷地内で飼われていたケースもありました。人懐っこい猫ほど誰かに飼われてしまう可能性があります。
>迷子チラシを漏れなくポスティングして、その猫が捜しているうちの猫であることを知ってもらいます。
目安としていなくなってから
・1ケ月以内であれば半径500mまで
・1ケ月以上であれば半径1kmまで
漏れなくポスティングします。
>室内で飼育すると決めた方の多くは、猫を動物病院に連れていきノミ・ダニや感染症の検査をしますので、少なくとも半径5km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします
⑧人が介在して遠くまで運ばれてしまった
稀なケースではありますが、おそらく車の荷台に乗ってしまい3km離れた場所で見つかったケースや、具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありました。
>迷子チラシのポスティングを進めつつ、ポスティング範囲よりさらに外への情報発信としてSNSを活用します。
⑨怪我や衰弱で行政機関に保護されている
>地域の交番、保健所、動物愛護センターに継続的に問い合わせをします。
通常猫は、迷子犬ほど遠方まで移動することはありませんが、おそらく車の荷台に乗ってしまって3km離れた場所で見つかったケースや、具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースや、拾われて老人ホームでお世話になっていたケースもありました。人が介在した場合に猫は遠方まで移動してしまうことがあります。
SNSでの情報発信は、そういった遠方の方に猫を捜していることを知っていただくのに有効です。
ただし、猫が遠方で見つかるのは稀なケースです。狭い範囲に隠れていることが多い迷子猫の場合、やはり迷子チラシを隙間なくポスティングしていくことが一番効果があります。迷子チラシなら、捜索範囲内のすべての住民の方に迷子のことを知ってもらうことが可能です。迷子チラシのポスティングを進めつつ、ポスティング範囲よりさらに外への情報発信としてSNSを活用するのが効果的です。
一方デメリットとして、不特定多数の人が目にするSNSでの拡散は、長期化すると目撃情報だけでなく自分の体験談や知識を披露したり、捜索の進捗を細かく聞いてくる人が増え、その対応に時間を取られることがあります。なかには心ない誹謗中傷が送られてくることもありますので、SNSで迷子猫の情報を発信されるのであれば、できればSNSの管理は他の人に頼むほうが捜索のための気力を保つことができます。
そういった捜索に寄与しないやりとりや誹謗中傷の心配の少ないSNSに、株式会社ほぼ日が運営する犬猫SNS「ドコノコ」があります。ドコノコの迷子掲示板は、情報の拡散よりも、現場での捜索協力に重きをおいた「参加型迷子掲示板」です。迷子チラシのポスティングや目撃場所付近の見回りなど飼い主さんだけでは時間がとれない作業のお手伝いをお願いすることができます。ツイッターやインスタほど多くのユーザーはいませんが、ユーザーは犬猫好きで迷子捜し経験者も多いので、きっと心強いと思います。
猫の日頃の生活パターンと性格によりますが、
・自宅にいるときも深夜や夜明け前に活発に活動していた猫
・警戒心が強く、ひとけがなくなってからしか隠れた場所から出てこない猫
は夜のほうが道から捜して出会える可能性が高いかも知れません。
ただし、人さまの敷地に入れさせていただいての目視は、夜間は嫌がられますので日中しかできません。
外に慣れていて、人に対する警戒心が強くない猫は、昼間でも出歩いていますので、昼間のほうが見つけやすいです。
また昼間のほうが、まわりの置き餌の場所が把握しやすく、餌をあげておられる方に話が聞きやすいです。
懐中電灯、好物のオヤツ、キャリーバッグ、迷子チラシ、ゼンリンの住宅地図
うちの猫を見つけて素手で捕獲できても、連れて帰る途中で腕からすり抜けて逃げてしまいます。家からほんの10メートルの距離でも、逃げようとする猫を抱っこで逃さないよう連れて帰るのは困難です。逃げられないよう捕獲できたらすぐにキャリーバッグに入れてください。キャリーバッグがない場合は洗濯ネットなどで代用します。
迷子を捜していて、ご近所にお住まいの方とトラブルになってしまうことがあります。
飼い主さんにとっては「たいせつな家族」でも、「たかが猫くらいで」と思われる方もおられますから、気を悪くされるとクレームになり、その後の捜索に支障をきたしてしまうことがあります。
ついやりがちではありますが、迷子を捜すさいは以下のことをしないよう注意してください。
・数人で喋りながら捜しまわる。
・夜中に家のまわりをうろつく、庭を懐中電灯で照らす。
・無断で庭を覗き込む、トレイルカメラや捕獲器をしかける。
・夜中に迷子チラシをポスティングする。
・無断で電柱や壁に迷子チラシを貼る。
※ 無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る行為は軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
一緒に捜してくださる方たちにも気をつけてくださるよう伝えましょう。
ご近所を捜すさいは、ぜひ迷子チラシを持ち歩いてください。不審者の疑いを晴らすのに役立ちますし、見かけたら連絡がもらえるかも知れません。
ご自身がやられたら、ちょっとイヤかもということを想像しながら、ご近所にお住まいの方にご迷惑をかけないように、うちの猫を捜してください。迷子の猫のことを心配してくださる方は、たぶんあなたが思っておられるよりもずっと多く、よい関係が築ければきっと力になってくださるはずです。
普段からお付き合いがあるお宅でも、猫を捜すために敷地に入れていただくようお願いするのはためらわれるかと思いますが、うちの猫が移動してしまう前に保護できるかどうかの重要な作業ですので、勇気を出してお願いしましょう。
許しを得ずに敷地に入ったり、夜中にひとさまの庭を懐中電灯で照らしたりすることは絶対にしないでください。お住まいの方が気を悪くなさいますし、トラブルになって捜索作業が続けられなくなることもあります。
①日中、事情を話して敷地に入れていただけるようお願いします。日が暮れてからでは他人が敷地に入ることは嫌がられますし、暗くて狭くて奥まった場所でじっとしている猫を懐中電灯を使って捜すので敷地に入るのが夜間である必要はありません。
お願いするさいに迷子チラシがあると事情が説明しやすく、また後日そのお宅の方がうちの猫を見かけたときに電話がもらえるかも知れません。
②空き家があれば、管理者の許可を得て中に入り捜します。
③敷地に入っての目視は、1軒も隙間をあけることなく全戸行ってください。1軒でも隙間をあけてしまうとそこに隠れているかも知れません。
④人さまの敷地には何度も入れていただくことができませんので、もう見る場所がなくなるまで徹底的な目視を行なってください。
⑤そのお宅にお住まいの方が「猫がいないか見ておいてあげるよ」と言われても、人が簡単に覗き込めるような浅い場所には隠れていませんので、敷地に入っての目視は必ずご自身で行ってください。
携帯するもの:好物のオヤツ、キャリーバッグ
①捜していた猫を見つけた時は、まずは低くしゃがみ「落ち着いた声」で名前を呼びながら猫の状態を観察します。呼びかけの声に緊張や焦りがあると猫が警戒しますので、落ち着いた声を出すのが難しい場合は、呼びかけないほうがよいです。
②名前の呼びかけに猫が緊張したり逃げようとしたりしないようであれば、姿勢を低くしたまま名前を呼び、ゆっくり近付きます。顔の前に差し出した指に、猫が自分の匂いをすり付けてきたら、そのまま猫の身体に触れて素手で捕獲することができるかも知れません。
③身体に触ると暴れたり、指の匂いを嗅いでも警戒している場合は、無理に捕まえようとせず時間をかけたり、いったん離れることも必要です。追いかけて逃してしまうと、また居場所を捜す作業からはじめなければならなくなります。背中を丸めて後ずさりしたり、低い姿勢で「シャー!」といったりしているときは、かなり猫を追いつめてしまっている状態です。
④ぶじ捕獲できたら、腕からすり抜けて逃げてしまわないように、すぐに猫をキャリーバッグに入れてください。
⑤興奮や警戒心が強く、素手での捕獲が難しい場合は、無理に捕まえようとせずいったんその場を離れ、捕獲器を使ってください。捕まえようとして追いかけてしまうと移動してしまい、居場所がわからなくなってしまいます。
⑥猫が潜り込んだ場所から出てこない場合は、逃げられないように周りをブロックなどで囲い、捕獲器を使って保護します。
すぐに正しく捜せば飼い主さんでも迷子を見つけられる可能性は充分にあります。
依頼したペット探偵の捜索方法が不適切だったり、来てもらうまでに日にちがかかったりする場合は、飼い主さんが捜したほうが見つかる可能性は高くなるかも知れません。
私たちプロの立場から、プロに依頼するかしないかの考え方と、依頼する場合事前に確認しておくことをお伝えさせていただきます。
①プロの強み
実績のあるペット探偵には以下のような強みがあります。
・状況別の猫の捜し方を知っている。
・発見や捕獲に高いスキルがある。
・トレイルカメラや捕獲器だけでなく、暗視カメラ、マイクロスコープカメラやドロップ式トラップなど高性能な道具を持っている。
一方、ペット探偵に依頼するには以下のようなむずかしさもあります。
・安くはない費用がかかる。探偵社の所在地から遠方だと出張費も必要になる。
・すぐに見つからなかった場合、「猫の捜索に、どこまでお金をかけ続けるか」を悩むようになる。
・スケジュールが詰まっていて、すぐに来てもらえない。
・適切な作業をしてくれるかわからず不安。
②プロの捜し方を調べる
ペット探偵に依頼する前にまず、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」に、いなくなってからの日にち、飼育環境、性格、まわりの環境などを入力して、今のあなたの猫を見つける方法を調べてください。プロである私たちならどう捜すかがわかります。正しい捜し方がわかれば、飼い主さんでも見つけられる可能性は充分にあります。
トレイルカメラや捕獲器が必要な場合は、貸してくれる人がいないか迷子捜し経験者に尋ねてみてください。ネットでも購入できます。
③プロができないこと
一方、ペット探偵ではできないこともあります。
・コメントのやりとりが伴うSNSでの迷子情報発信
・行政機関、動物病院への届出と継続的な確認
これらは必要に応じて、飼い主さんが行うことになります。
④プロに依頼するかどうかの判断基準
チャットボット「迷子を見つける500の方法」で、今のあなたの猫を見つける方法を調べたうえで、以下の場合はプロに依頼されることをご検討されるのがよいと思います。
・作業内容がむずかしく、自分にはできそうにない。
・捜索作業をやりきる時間がとれそうにない。
・トレイルカメラや捕獲器など必要な道具が用意できない。
・居場所はわかっているが捕獲ができない。
依頼されるのであれば、はやいほどよいです。
⑤プロに依頼する前に確認すること
捜索費用と経費だけでなく、以下のことも確認したうえで、依頼先を選ばれることをお勧めします。
・利用規約または契約事項の確認。
思っていたのとは違うと後悔することがないよう、利用規約または契約事項を必ず確認してください。どんな捜し方をしているのか教えてくれない、成功報酬の発生対象が自分が考えていたのとは違う、途中解約ができない、捜しにきてくれないので他のペット探偵社に依頼すると違約金を請求されたといったご相談をいただくことがありますが、そうなることは利用規約に記載してあります。
・いつ来てくれるか。
・うちの猫の場合、どういう作業をしてくれるか。
・契約期間中にどこまでの作業ができそうか。
・来てくれるまでの間に飼い主さんはどの作業を進めておけばよいか。
また、もし契約期間中に見つからなかった場合は捜索作業を飼い主さんが引き継ぐことになりますので、以下のことも確認しておきます。
・捜索に同行すれば捜し方のコツを教えてくれるか。
・迷子チラシの連絡先はペット探偵社ではなく、飼い主さんの携帯電話番号にしてくれるか。(契約終了後、忙しい探偵社さんだと目撃情報を飼い主さんに伝えるのが遅くなることがあるかも知れないため)
・迷子チラシのポスティング記録と、敷地に入って捜した場所やトレイルカメラの設置場所などの捜索履歴を書き込んだゼンリンの住宅地図を渡してくれるか。引き継ぎ資料をもらえないと、ゼロからのスタートになり、それまでの作業が無駄になってしまいます。
・トレイルカメラとは、野外の動物を自動撮影するための昼間・夜間動体検知カメラです。
・猫などの動物が近づいたことを検知して、写真または動画を撮影してくれます。
・乾電池駆動で防水機能があり、映像は本体のメモリーカードに保存されます。
・うちの猫が置いた餌を食べに来ているのかどうかの確認や、捕獲器まわりでの挙動を観察するのに使います。人の気配をさせることなく、ひと晩中監視してくれるので、迷子猫捜しには大変役立つ道具です。
・トレイルカメラは用途が特殊なため家電量販店では取り扱っていません。ネット通販で購入できますので「トレイルカメラ」で検索して、防水、日本語対応、購入者評価で故障の書き込みが少ないものの中からお選びください。
・ネット通販で「トレイルカメラ」で検索すると、例えばこういったものが見つかります。スペック的にはこういったものでよさそうです。
ただ、安価なものはすぐ壊れたり、日本語の取説がなかったりすることがありますので、購入者のレビューも参考にして、ご自身の判断でお選びください。
・スマホでリアルタイムに映像モニターできるWiFi式のものも販売されていますが、通信機材の取り扱いに慣れておられない場合はシンプルなものを選ばれることをお勧めします。
・知り合いに迷子捜しの経験がある人がいたら持っているかも知れませんので、貸してもらえないか聞いてみてください。小型三脚もあると設置のさい撮影範囲を調整するのに便利です。
(参考)トレイルカメラで猫の挙動を撮影
①トレイルカメラの設定
機種による違いはありますが猫を観察するための設定は、
・動画:撮影時間2分程度、音声オン
・センサー感度:中
とするのがよいでしょう。
②トレイルカメラの設置場所
置いた餌からおよそ1m離し、猫が来たときに全身が写る場所に設置します。必ず事前に試し撮りをして撮影範囲を確認してください。
③人さまの敷地に設置する場合は事前に許可を取ってください。敷地まわりに設置する場合でも、住居内を覗き込むような位置に設置してはいけません。
④不審物として撤去されないように、トレイルカメラには設置の目的と設置期間および連絡先を明記してください。
盗難の恐れがなくもないので、ひとめにつきにくい場所に押し込むように設置すること、また盗難防止用鍵付きワイヤーで柱などに繋ぎ止めておくこともお勧めします。
⑤猫が餌を食べにくる日没から設置し、翌朝回収して映像を確認します。
(参考)トレイルカメラで猫の挙動を撮影
トレイルカメラが手元にない場合は、ダンボールで「猫ホイホイ」を自作し代用します。
トレイルカメラに比べ確認の精度は劣りますが、まわりに似た毛色の猫がいなければ、この方法は有効です。
①ダンボールで、猫が身をかがめて入れるくらいの細長い四角い筒を作ります。
②ダンボールの筒の内側の上面と側面に布粘着テープを丸めて貼り付けます。
③ダンボールの筒の中央に餌をたっぷりと置きます。
④ダンボールの筒でも警戒して入らない猫もいるので、近くまで来たかどうかを確認するために、「猫ホイホイ」の入口近くにほんの少量の餌を置いておきます。
⑤猫が餌を食べにダンボールの筒に入ると、丸めた布粘着テープに毛がつくので、うちの猫のものかどうかを確認します。
「猫ホイホイ」は、簡単に、安価にたくさん自作できますので、複数箇所を一度に確認するのに役立ちます。
®「猫ホイホイ」はペットレスキューが考案した迷子猫捜索用道具の名称です。
・いろいろな種類がありますが、迷子猫の捕獲には「踏板式捕獲器」を使います。踏板の奥に餌を置き猫をおびき入れ、猫が踏板を踏むとスプリングで扉が閉まる仕組みの捕獲器です。
・警戒心が強く素手で捕獲することができない場合や、居場所がわかっても隠れた場所から出てこない場合に使います。
・捕獲器のサイズが小さいと、せっかく中に入って踏板を踏んでも、扉にしっぽや後ろ脚が挟まり閉まりきらず外に出てしまうことがあります。奥行き762 × 幅254 × 高さ254 mm程度の大きさのものを選んでください。
・使用前に、内側に猫が怪我をするような鋭利な突起がないか確認してください。鋭利な突起がある場合はヤスリで丸く研磨します。
・使用前に、奥側のスライド網戸を猫が自分で押し開けられないことを確認してください。押し開けられそうな場合は、結束バンドで固定してください。
・使用前に、踏板を押して扉がスムーズに閉じることを確認してください。捕獲器を少し揺すったり、踏板に軽く触ったりしただけでも扉が閉じてしまう場合は、フックのひっかかりが深くなるよう調整します。扉が筐体に擦れる場合は、筐体の歪みを矯正します。
・捕獲器に別の猫がかかってしまった場合は、お互いに怪我をしないよう気をつけてすぐにリリースして、猫の匂いを消臭スプレーや水洗いでじゅうぶんに取り去ってください。
・知り合いに迷子捜しの経験がある人がいたら持っているかも知れませんので、貸してもらえないか聞いてみてください。保健所や動物病院、保護団体さまから借りられるかも知れませんので尋ねてみてください。一部ホームセンターで販売しているところもあります。ネット通販でも購入できます。
・ネット通販で「猫 捕獲器 踏板式」で検索すると、例えばこういったものが見つかります。スペック的にはこういったものでよさそうです。
購入者のレビューも参考にして、ご自身の判断でお選びください。
ここでは市販の踏板式捕獲器を使った捕獲のしかたを説明します。メーカーによって構造に違いがありますので、取扱方法についてはメーカーの取扱説明書をご参照ください。
目撃場所で餌付けをして、同じ時間に来るようになってから捕獲器を設置するのが効果的です。
(1)設置の許可取り
①捕獲器を自分の敷地以外に設置する場合は、土地の所有者の許可を得てください。
②まわりに自由外出の猫がいる場合は、その猫が捕獲器にかかってトラブルにならないよう、事前に飼い主さんに、捕獲器を設置する時間帯は猫を外に出さないようお願いします。
地域猫がいる場合は、管理されている方と相談して捕獲器から離れた場所でたっぷりの餌を与え、捕獲器に入らないようにします。
野良猫がいる場合も、捕獲器から離れた場所でたっぷりの餌を与え、捕獲器に入らないようにします。
③捕獲器を見かけた人に不審物ではないことを知っていただくために、捕獲器にはご自分の名前、電話番号、設置期間、目的(迷子猫の捕獲)を明示してください。
(2)他の猫の餌場の管理をお願いする
①猫は飢えていないと捕獲器に入りません。近くで飼い主のいない猫に餌やりをしている人がいる場合は事情を説明して、捕獲しようとしている猫が餌を食べることがないよう餌場の管理をお願いします。
(3)使用前の動作、安全確認
①捕獲器のサイズが小さいと、せっかく中に入って踏板を踏んでも、扉にしっぽや後ろ脚が挟まり閉まりきらず、また外に出てしまうことがあります。また踏板から餌を置く場所が近いと、猫が踏板を踏まずに餌だけ食べて出ていってしまうことがあります。そうならないよう、奥行き762 × 幅254 × 高さ254 mm程度の大きさのものを選んでください。
②内側に猫が怪我をするような鋭利な突起がないか確認してください。鋭利な突起がある場合はヤスリで丸く研磨します。
③使用前に、奥側のスライド網戸を猫が自分で押し開けられないことを確認してください。押し開けられそうな場合は、結束バンドで固定してください。
④踏板を押して扉がスムーズに閉じることを確認してください。踏板に軽く触っただけで扉が閉じてしまう場合は、フックのひっかかりが深くなるよう調整します。扉が筐体に擦れる場合は、筐体の歪みを矯正します。
⑤捕獲器に他の猫の匂いがついている場合は、猫の匂いを消臭スプレーや水洗いでじゅうぶんに取り去ってください。
(4)捕獲器を快適にする
①捕獲器の上にシーツをかけて網目を隠し、暗くて落ち着いた猫の好きな環境にします。自身の匂いが付いたシーツなどを被せると安心感が増します。捕獲器の中にトイレシートを敷き歩きやすくします。
②捕獲器入口の手前に使用済みのトイレ砂を少量撒くのも効果があります。
③餌はうちの猫が普段食べている好物を使います。焼き魚など匂いの強いものを一緒に盛ると効果的です。
④虫の多い季節に餌を置くさいは、平皿に水を張り、その中にもうひとつ足つきの皿を置いて餌を盛るとナメクジや虫が餌に寄ってきません。
(5)捕獲器の置き場所
①最後に目撃された場所に、土地の所有者の許可を得てから捕獲器を設置します。敷地内での設置許可が得られない場合は、敷地周辺で目撃されたポイントにできるだけ近い場所に設置し、匂いの強い餌で誘き寄せます。
②設置場所は、人が入って来ないような静かな場所を選び、猫の通り道の真ん中ではなく、通り道の脇に並行に設置するほうが効果的です。
③猫は中の餌が気になっても、見慣れぬ捕獲器を警戒して近づいてこないことがあります。そこで、猫が落ち着いて捕獲器をしばらく観察できるよう、捕獲器は茂みや車、物置、軒下などのそばに置きます。茂みの中に隠れてしばらく観察して、危険がなさそうだと思うと用心深い猫でも捕獲器に近づいていきます。
④捕獲器のまわりを人がうろうろすると猫が警戒して捕獲器に近づきませんので、離れた場所から懐中電灯で捕獲器の扉が閉まっているかどうかを確認できる場所を選んで設置します。
⑤捕獲器入口の手前に、ごく少量の餌を置きます。警戒して捕獲器に入らない猫もいますが、捕獲器の外の餌がなくなっていれば、そこになにかしらの動物が来たことがわかります。捕獲器まわりにそれ以外の餌は撒かないでください。その餌で空腹が満たされると、リスクを犯してまで捕獲器に入りません。
(6)捕獲器の管理
①うちの猫の性格や生活パターンにもよりますが、ひとけがなくなる夕方から明け方にかけて捕獲器を設置するのが効果的です。
②夏場は短時間でも熱中症の危険があるので、日中捕獲器を設置してはいけません。
③捕獲器を設置したら、人の気配を感じさせないようその場を離れます。
④捕獲器に動物が入った状態で長時間放置すると怪我や衰弱のリスクが高まりますので、3時間ごとに遠くから扉が閉まっていないかを確認してください。扉が閉まっていなければすみやかに立ち去ります。
⑤もし他の動物がかかってしまった場合は、お互い怪我をしないよう気をつけて、ただちにリリースしてください。感染症のリスクがありますので、手首・腕を引っ掻かれないよう注意してください。もし引っ掻かれたり、噛まれたりした場合は、すぐに傷口を流水でじゅうぶんに流し、病院で処置をしてもらってください。
⑥もし捕獲器にかかった猫の外観がうちの猫に似ていた場合は、今後迷子チラシを見た方からの目撃情報の確認に必要になることがありますので、うちの猫との違いがわかる部分の写真を撮ってからリリースします。
(7)トレイルカメラを設置して観察
①捕獲器にかからない場合は、そもそもうちの猫が捕獲器近くまで来ているのか、来ているが警戒して入らないのかを確認するために、土地の所有者の許可を得てから、トレイルカメラを捕獲器まわりが撮影できる位置に設置します。
②トレイルカメラは暗闇でも動くものに反応して鮮明な写真または動画を撮影してくれます。
(8)猫が捕獲器に入らない場合
一度捕獲器にかかったことがある猫は、よほど空腹にならないと警戒してなかなか捕獲器に入らないことがあります。その場合は時間をかけて捕獲器に慣らします。
①飢えてこないと捕獲器には入らないので、捕獲器に慣らす目的以外の餌は置かないようにします。
②捕獲器の扉を、猫が踏板を踏んでも閉まらないよう、結束バンドで固定しておきます。
③猫が捕獲器を通り抜けられるよう、奥側のスライド扉をはずしておきます。
④捕獲器の近くにトレイルカメラを設置し以下を確認します。
・捕獲器の近くに置いたほんの少量の餌を食べるか:空腹になっているかの確認
・捕獲器入口手前30cmに置いたほんの少量の餌を食べるか:捕獲器をどれくらい警戒しているかの確認
・捕獲器の中のたっぷりの餌を食べるか:捕獲器の中まで入るかの確認
⑤猫が捕獲器の中まで入るようであれば、扉を固定している結束バンドをはずし、奥側のスライド扉を差し込み、捕獲器をしかけます。
⑥警戒して捕獲器に入ろうとしない場合は、2日間は餌を与えず空腹の状態を維持し、捕獲器に入るのを待ちます。
(9)時間をかけて慣らそうとしても踏板式捕獲器に入らない場合
一度かかったことのある踏板式捕獲器とは形状の異なるドロップ式やサークル式の捕獲器を使っての捕獲を試みます。これらの捕獲器は市販されていませんので、自作するかペット探偵に依頼することになります。
(参考)ドロップ式トラップ
(参考)サークルトラップ
一度捕獲器にかかったことがある猫は、よほど空腹にならないと警戒してなかなか捕獲器に入らないことがあります。その場合は時間をかけて捕獲器に慣らします。
①飢えてこないと捕獲器には入らないので、捕獲器に慣らす目的以外の餌は置かないようにします。
②捕獲器の扉を、猫が踏板を踏んでも閉まらないよう、結束バンドで固定しておきます。
③猫が捕獲器を通り抜けられるよう、奥側のスライド扉をはずしておきます。
④捕獲器の近くにトレイルカメラを設置し以下を確認します。
・捕獲器の近くに置いたほんの少量の餌を食べるか:空腹になっているかの確認
・捕獲器入口手前30cmに置いたほんの少量の餌を食べるか:捕獲器をどれくらい警戒しているかの確認
・捕獲器の中のたっぷりの餌を食べるか:捕獲器の中まで入るかの確認
⑤猫が捕獲器の中まで入るようであれば、扉を固定している結束バンドをはずし、奥側のスライド扉を差し込み、捕獲器をしかけます。
⑥警戒して捕獲器に入ろうとしない場合は、2日間は餌を与えず空腹の状態を維持し、捕獲器に入るのを待ちます。
時間をかけて慣らそうとしても踏板式捕獲器に入らない場合は、一度かかったことのある踏板式捕獲器とは形状の異なるドロップ式やサークル式の捕獲器を使っての捕獲を試みます。これらの捕獲器は市販されていませんので、自作するかペット探偵に依頼することになります。
(参考)ドロップ式トラップ
(参考)サークルトラップ
一度かかったことのある踏板式捕獲器に警戒して入らない場合は、市販のカゴを改造してドロップ式トラップを作ります。
(1)作り方
・材料:金網のカゴ、U字型ペグ、丸棒、結束バンド 4本、ポリエチレンロープ 20m程度、スナップフック 1個
・現場で使うもの:ニッパ、キャリーバッグ、トレイルカメラ
①猫用取出口をつくる
猫を捕獲した後カゴを持ち上げてしまうと、広範囲にあいた隙間から猫が逃げてしまいます。隙間から逃げ出そうとする猫を捕まえるのは数人がかりでもできないと思ってください。
そうならないために、猫用取出口をつくっておきます。
金網のカゴの側面を猫が通り抜けられる大きさに切り取ります。切断した金網の端面は怪我をしないようヤスリで丸く削っておきます。
切り取った金網を、蓋として結束バンドでカゴに固定します。
②つっかい棒をカゴに取り付ける
U字型ペグに、スナップフックを取り付けるための丸棒を曲げて取り付けます。
U字型ペグの先端を曲げて、カゴに回転するように取り付けます。
③フックにロープをつける
スナップフックにポリエチレンロープを結びつけます。
④フックをU字型ペグに固定
スナップフックをU字型ペグに固定します。
(2)使い方
①事前練習
事前に何度もロープを素早く引く練習をしてください。ロープを引くタイミングのイメージトレーニングをしてください。
②カゴを立てる
カゴを持ち上げ、U字型ペグをつっかい棒にして立てます。
③餌を置く
猫をカゴの奥まで誘導するために、カゴの手前、カゴのすぐ外にそれぞれ少量の餌を、カゴの奥にたっぷりの好物の餌を置きます。普段使っていた自身の匂いのついた毛布などをカゴの中に入れておくのも効果的です。
④待機する
カゴから離れた場所に隠れ、猫が来るのを待ちます。
猫が現れたら、つっかい棒に固定したロープをぴんと張った状態で握り、猫がカゴの下に入るのを待ちます。
⑤ロープを素早く引く
猫がカゴの充分奥まで入り餌に口をつけて食べだしたら、タイミングを見計らい素早く躊躇なくロープを引いてカゴを落とします。
⑥カゴに乗り押さえる
必死になった猫の力は強く、カゴを押し上げて逃げてしまうことがありますので、すぐにカゴの上に乗って押さえます。
⑦猫用取出口の蓋を外す
キャリーバッグの扉を開け、カゴの猫用取出口に押し当てながら、猫用取出口の蓋を固定している結束バンドをニッパで切り、外します。
⑧猫をキャリーバッグに入れる
猫をカゴからキャリーバッグに移動させます。入ろうとしないときは、棒などで猫を後ろからやさしく押します。
(3)警戒して入らない場合
①カゴを警戒して入らない場合
猫がカゴを警戒して入らない場合は、カモフラージュネットなどをカゴに被せてください。
②人を警戒して入らない場合
人の気配を警戒してカゴに入らない場合は、警戒心がなくなるまでしばらくカゴの下で餌付けを行ってください。餌を置いたらその場を離れ、猫の様子をトレイルカメラで観察します。警戒心の強い猫は空腹にならないとリスクを犯してまでカゴの下に入らないので、カゴのまわりに餌を置かないでください。
猫がカゴの奥まで入るようになったら、待機してタイミングを見計らいロープを素早く引いて捕獲します。
踏板式捕獲器にもドロップ式トラップにも警戒して入らない場合は、市販の犬用サークルを改造してサークルトラップを作ります。
サークルトラップは広く開放的で猫に警戒されにくい反面、扉を閉めるタイミングとスピードが難しいので、事前に何度も練習してから使用してください。もし失敗した場合は警戒して入らなくなるので、再度時間をかけてサークルトラップに慣らします。
(1)作り方
・材料:屋根付大型犬用サークル、ドア用ラッチ 2個、結束バンド 4本、段ボール片 2枚、ポリエチレンロープ 20m程度、スナップフック 1個
・現場で使うもの:キャリーバッグ、トレイルカメラ
①大型犬用サークル
使用するサークルは警戒心の強い猫でも安心して入るよう、大型で屋根付のものを選んでください。
②ドア用ラッチの取り付け
ドア用ラッチとサークルの間に、扉の金網の厚みより少し厚みのある段ボール片をはさみ、結束バンドで固定します。ドア用ラッチを取り付けることで、扉が閉まると内側から開けることができなくなります。ドア用ラッチは間隔をあけて2ケ所取り付けます。
③フックにロープをつける
スナップフックにポリエチレンロープを結びつけます。
④フックを扉に固定
扉にスナップフックを固定し、ポリエチレンロープをサークルの内側から外側に通します。
(2)使い方
①事前練習
事前に何度もロープを素早く引き扉のラッチを閉める練習をしてください。ロープを引くタイミングのイメージトレーニングをしてください。
②扉を開ける
サークルの扉を開けます。
③餌を置く
猫をサークルの奥まで誘導するために、扉の手前、扉のすぐ外、サークルの中間にそれぞれ少量の餌を、サークルの奥にたっぷりの好物の餌を置きます。普段使っていた自身の匂いのついた毛布などをサークルの中に入れておくのも効果的です。
④待機する
サークルから離れた場所に隠れ、猫が来るのを待ちます。
猫が現れたら、扉に固定したロープをぴんと張った状態で握り、猫がサークルに入るのを待ちます。
⑤ロープを素早く引く
猫がサークルの充分奥まで入り餌に口をつけて食べだしたら、タイミングを見計らい素早く躊躇なくロープを引いて扉を閉めます。
⑥猫をキャリーバッグに入れる
猫をサークルに入れたまま室内まで運んでから、キャリーバッグに入れてください。外でキャリーバックに移し替えようとすると、再び逃走する可能性があります。
(3)警戒して入らない場合
①サークルを警戒して入らない場合
猫がサークルを警戒して入らない場合は、カモフラージュネットなどをサークルに被せてください。
②人を警戒して入らない場合
人の気配を警戒してサークルに入らない場合は、警戒心がなくなるまでしばらくサークルで餌付けを行ってください。餌を置いたらその場を離れ、猫の様子をトレイルカメラで観察します。警戒心の強い猫は空腹にならないとリスクを犯してまでサークルに入らないので、サークルのまわりに餌を置かないでください。
猫がサークルの奥まで入るようになったら、待機してタイミングを見計らいロープを素早く引いて捕獲します。
現在市販されている迷子タグの位置検出方式には以下の2つがあります。
(1)人工衛生から送られてくる位置情報を使ったGPS方式
(2)猫の近くを通りがかった人のスマホのアプリ経由で位置情報が送られてくるBluetooth方式
それぞれ居場所が検出できる環境が異なり、それによって捜し方が違ってきますので、その違いをご紹介します。
(1)GPSトラッカー
GPSトラッカーとは、GPSで取得した位置情報を携帯電話回線で送信し、あなたのPCやスマホのアプリで表示閲覧できる端末のことをいいます。SIMカードを搭載しているタイプは携帯電話回線を使ってスマホのアプリと交信しますので、遠く離れていても居場所がリアルタイムでわかります。
①性能
・検出範囲:GPS衛星の電波が届いている範囲
・位置精度:誤差は10m程度(準天頂衛星「みちびき」のサブメータ級測位に対応したGPSトラッカーの場合の誤差は1m程度)
・通信距離:携帯電話回線の圏内に猫がいれば、どれだけ離れていてもあなたのスマホのアプリに居場所の情報がリアルタイムに送られてきます。
・電池寿命:バッテリーの大きさと通信頻度の設定によりますが、1週間程度のものが多いようです。
②居場所がわかるには条件があります
猫と空の間に邪魔するものが何もないこと。猫の首輪につけたGPSトラッカーがGPS衛星と通信するために邪魔になる建造物などがないことが条件になります。
・猫が水や餌を求めて移動しているときに居場所が検出されやすくなります。外慣れしていて歩きまわっている猫は検出されやすい傾向があります。
・一方、外慣れしておらず警戒心が強い猫が、暗くて狭くて奥が深い場所に潜り込んでいる場合は、建物や壁が邪魔をして検出されにくくなります。何日もじっと隠れていると、そこから外に出てくるまでにGPSトラッカーの電池が切れてしまうことがあります。
③居場所がわからない場合があります
・GPS衛星の電波が届いていない:GPS衛星の電波は、遮るものがあると届かないことがあります。空き家や倉庫内や側溝の中だけでなく、軒下や物置の下、森の中でも届かないことがあります。警戒心の強い猫が一箇所に隠れてまったく動かない場合は、外に出てくるまで何日も検出されないことがあります。
・GPS衛星との通信間隔時間の設定が長い:消費電力を抑えるために、GPS衛星との通信間隔時間の設定を例えば10分にしていると、その時間内で猫が外に出てきてまた隠れると検出されません。
・携帯電話回線圏外:猫が携帯電話回線圏外にいると、位置情報を発信してもスマホのアプリに通知が届きません。
・電池切れ:フル充電にしていても1週間程度しか電池が保たないものが多いです。
・破損:水濡れや衝撃により壊れてしまった場合。
・首輪がはずれてしまった:最近の首輪は、木の枝などに首輪がひっかかってしまったときに首吊りにならないよう、暴れるとはずれるセーフティーバックル付きのものが主流になっています。ピンバックル式、シュシュなどの伸縮式、紐式、どれも猫が自分ではずしてしまうことがあります。
④猫の捜し方
・スマホのアプリに位置情報が送られてきたら、できるだけはやく現場に行って猫を捜します。
・検出された場所の半径10m以内に猫がいるとしても、狭い隙間が多かったり物が積み上がっていたりすると、現場に行っても捜し出せないことがあります。現場に行っても見つからない場合は、近隣に迷子チラシをポスティングし、餌とトレイルカメラ、状況によっては捕獲器の設置をします。
・いなくなってから位置情報が一度も送られてこない場合、外慣れしていない猫であれば一箇所に潜り込んで移動していないことがありますので、近隣の敷地に入れさせていただき徹底的な目視を行います。また、電池切れや破損の可能性もありますので、位置情報が送られてくるのを待つだけでなく、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」で調べた捜索作業を進めてください。
(2)Bluetoothタグ
Bluetooth方式の迷子タグとは、猫の近くを通りがかった人のスマホにBluetooth電波を飛ばし、その人のスマホ経由で送られてくる位置情報を、あなたのPCやスマホのアプリで表示閲覧できる端末のことをいいます。位置検出とあなたのスマホへの通信を近くを通りがかった人のスマホが担ってくれるため、タグの消費電力が少なく、小さな電池でも約1年という長期間位置情報を送ってくれます。
GPSのようにリアルタイムで居場所を追跡するのではなく、たくさんの人のスマホのネットワークで地面に網(メッシュ)を張り、その網にかかるのを待つ方式なので、位置検出してくれるスマホが少ないと(メッシュが粗いと)その隙間をすり抜けてしまい検出されません。
現在もっとも検出してくれるスマホが多い(メッシュが細かい)BluetoothタグはApple社のAirTagで、まわりの人が持っているすべてのiPhoneとiPadがあなたの猫のタグを検出してくれます。もともと財布などの紛失防止用に作られたものなので、迷子タグとしての使用が推奨されてはいませんが、うまく使えば発見に繋がる可能性があります。
①性能
・検出範囲:誰かのiPhoneかiPadが迷子タグをつけた猫におよそ10mまで近づくと、自動であなたのスマホに検出位置情報を送ります。
・位置精度:あなたが現場に行き検出できれば、iPhoneのアプリで猫のいる方向と猫までの距離を表示してくれます。
・通信距離:携帯電話回線の圏内であれば、どれだけ離れていてもあなたのiPhoneに通知が届きます。
・電池寿命:1年以上
②居場所がわかるには条件があります
迷子タグをつけた猫と自分を含む誰かのiPhoneかiPadがおよそ10mまで近づくこと。
・住宅密集地や人の往来が多い地域を歩きまわっている猫は検出されやすい傾向があります。
・猫とiPhoneかiPadの間にBluetooth通信を邪魔する遮蔽物がないこと。物置の下や軒下に潜り込んでいると、壁や建物が邪魔をして検出距離が10mより短くなります。
③居場所がわからない場合があります
・猫の10m以内にiPhoneかiPadを持った人がいない:猫が歩きまわっていても、すぐ近くにiPhoneを持っている人がいない郊外や山間部では検出されることは期待できません。
・猫の10m以内にiPhoneかiPadを持った人が少ない:誰かのiPhoneに検出されても、GPSのように移動をリアルタイムに追跡することはできませんので、次に誰かのiPhoneに検出されるのを待たなければなりません。
・猫が物置の下や軒下に潜り込んでいると、壁や建物が邪魔をして検出距離が10mより短くなります。
・携帯電話回線圏外:猫が携帯電話回線圏外にいると、位置情報を発信してもPCやスマホのアプリに通知が届きません。
・電池切れ
・破損:水濡れや衝撃により壊れてしまった場合。
・首輪がはずれてしまった:最近の首輪は、木の枝などに首輪がひっかかってしまったときに首吊りにならないよう、暴れるとはずれるセーフティーバックル付きのものが主流になっています。ピンバックル式、シュシュなどの伸縮式、紐式、どれも猫が自分ではずしてしまうことがあります。
④猫の捜し方
・いなくなってすぐで、まだ自宅の近くに隠れていることが想定される場合は、自宅のあるブロックと隣接するブロックのすべての路地をAirTagとペアリングしたiPhoneの「探す」を起動して歩きます。iPhoneを持っている人が捜索に協力してくださる場合は、20m以下の間隔で横に並び列をくずさないよう進行します。
・壁や建物といった遮蔽物があると検出できる距離が10mより短くなってしまいますので、広い敷地のお宅には事情を話し、日中敷地に入れさせていただき、猫が潜り込みそうな軒下や物置などに近づいて捜します。
・あなたのiPhoneに誰かのiPhoneかiPadから位置情報が送られてきたら、できるだけはやく現場に行って猫を捜します。
・現場に行っても見つからない場合は、近隣に迷子チラシをポスティングし、餌とトレイルカメラ、状況によっては捕獲器の設置をします。
・猫が自宅から離れてしまった場合、iPhoneを持っている人が少ない郊外や山間部では検出されることは期待できません。位置情報が送られてくるのを待つだけでなく、無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」で調べた捜索作業を進めてください。
③マイクロチップについて
個体識別のために身体に埋め込むマイクロチップには、残念ながらGPSのように居場所がわかる機能はありません。
①夜間に保護した場合、保護した猫が怪我や衰弱をしている場合には、夜間救急動物病院で治療してもらってください。
②保護した猫に特に問題がないように見える場合でも、念のためかかりつけの動物病院で検査してもらってください。(脱水症状、外傷、歯と爪の損傷、ノミ・ダニ・寄生虫、血液検査で感染症などの確認、体重の大幅な減少がないかなど)
③検査が終わるまでは、同居している犬猫や人間への感染症のリスクがあるため、ケージか独立した部屋に隔離をしておいてください。
④喧嘩で噛まれていた場合、3日くらいしてから症状がでることがありますので、注意して観察し腫れや化膿が見つかった場合は動物病院で処置してもらってください。
⑤保護した猫が酷く汚れていなければ、落ち着くまではストレスのかかるシャンプーは控え、自分でグルーミングするのに任せてください。どうしても気になる場合は、猫に刺激の強いアルコールなどが含まれていないペット用のボディタオル、なければ水分をしっかり切った蒸しタオルで、汚れをやさしく拭き取ってください。
⑥もし捕獲時に飼い主さんが噛まれたり、引っ掻かれたりした場合は、感染症のリスクがありますので、すぐに傷口を流水でじゅうぶんに流し、腫れるようであればすぐに病院で処置をしてもらってください。
保護した猫が、自宅にいるのに落ち着かないことがあります。
猫の性格にもよりますが、保護できたときに飼い主さんが感極まって騒いでしまうと、猫は不安になります。お気持ちはよくよくわかりますが、猫も外で大変な思いをしてきていますので、ここは穏やかにうちの猫にお帰りを言いましょう。
慣れない外に出たことで猫も興奮していますので、落ち着くまでは静かな部屋に隔離しましょう。同居の猫がいる場合は、外の匂いや他の猫の匂いがついていると威嚇されることがありますので、しばらくは一緒にしないようにします。
長くても1週間もすれば落ち着いてきますので、心配せず長い目でみてあげてください。
①迷子が無事に帰ってきたら、目撃情報をくださった方たちと迷子捜しに協力してくださった皆様に報告し、感謝を伝えましょう。
②許可を得て掲示した迷子チラシがあれば、そのチラシに「見つかりました」のメモを貼りつけ、3日ほどしたら撤収します。迷子のことを心配してくださっている地域の方は多いものです。
③迷子届をした交番、保健所、動物愛護センター、清掃事務所や動物病院に保護したことを報告します。
(お願い)
捜している猫が見つかったときはぜひ、迷子の飼い主さんサポート活動の「迷子が見つかりました!」から、保護までの経緯をお知らせください。
チャットボットの捜索プランをさらに精度の高いものにすることと、迷子を捜している多くの飼い主さまのお役にたてる情報発信に活用させていただきます。
お疲れさまでした!
迷子捜し、お疲れさまでした。もう2度と猫にも自分にも、あんなしんどい思いはさせたくないですよね。
猫は「隙あらば逃げるどうぶつ」と考え、以下のようなときは「今、危ないかも!」と注意レベルをあげて脱走を防ぎましょう。
(1)自宅からの脱走
室内飼育の猫は、基本的に家の中にいますので、件数で言えば自宅からの脱走が一番多いです。
①窓からの脱走
もっとも多いのが、鍵をかけ忘れた窓からの脱走です。網戸があっても猫はあけてしまいます。同居のご家族が窓をあけたままにしてしまうこともありますので、心配がある場合はご自身でもう一度戸締まりの確認をしましょう。
②玄関からの脱走
外出時、帰宅時、荷物の受け取り時、あけた玄関の隙間から外に出てしまいます。飼い主さんが猫が出たことに気がつかないことも多いです。いくら気をつけても、帰宅時外から玄関をあけるときにすり抜けて出ていかないようにするのは難しいので、2重扉になるよう充分高さのある脱走防止柵があると安心です。
③ベランダのサッシからの脱走
洗濯物を干すためにあけたサッシの隙間をすり抜けて脱走します。脱走防止柵の設置は難しい場所なので、猫にじゅうぶん注意しながらサッシを開け閉めします。
④ベランダからの脱走
普段出しているベランダからの脱走、または転落していなくなることがあります。猫はベランダの手すりに飛び乗れますし、集合住宅の場合手すりを伝って隣りのお宅に入っていくこともあります。日当たりがよく外の様子も見られるベランダに出してあげたいものですが、その場合はひろめのケージを用意するか、脱走防止の柵や網の設置を検討しましょう。庭についても同じことが言えます。
⑤馴染みのない家からの脱走
引っ越し先や、帰省した実家、一時預かり、譲渡後のように、猫が馴染んでいない家では隙あらば逃げようとするので、いつも以上に注意が必要です。
(2)車からの脱走
動物病院や旅行に猫を連れて行くときに車を利用することも多いと思います。猫によっては外の刺激で興奮や警戒することがありますし、飼い主さんもドアの開閉に気を取られ、隙あらば逃げやすい状況になっています。
①ドアは窓からの脱走
ドアをあけるときや、あいた窓の隙間から脱走します。キャリーバッグに入れてからドアや窓をあけるようにします。
②猫が窓をあけて脱走
猫が自分でパワーウインドウの開閉ボタンを押して窓をあけ脱走することがあります。車内ではつねにクレートやキャリーバッグに入れておくほうが安全です。
(3)キャリーバッグからの脱走
キャリーバッグに入れられることを嫌がる猫は多いので、キャリーバッグから逃げてしまうことがあります。
①出し入れのさいに脱走
キャリーバッグへの出し入れのとき逃げることがあります。暴れて逃げようとすることを前提に、キャリーバッグへの出し入れは、扉と窓を閉めた家具の少ない室内で行うようにします。
②キャリーバッグの中から脱走
キャリーバッグに入れていても脱走してしまうことがあります。ファスナーをこじ開けたり、壊したりして脱走します。ファスナーが丈夫で中から開けられない機構になっているものを選んでください。
(4)散歩中に逃げる
人や犬や大きな音に驚いたり、興味があるものを追いかけたりして、散歩中の猫はよく逃げます。
①リードが手からすり抜けて逃げる
リードをつけて散歩中に逃げ出してしまうケースがとても多いです。大きな音がした、人や犬が通りがかったなど、ちょっとしたきっかけでパニックになり暴れ、静止できない状態になりそのまま失踪してしまいます。猫は一度暴れ出すとリードがついていても制御することができず、リードが手からすり抜けて逃げてしまいます。
②ハーネスからすり抜けて逃げる
ハーネスをつけていても、猫は身体が柔らかいのでハーネスからすり抜けて逃げてしまうことがあります。散歩はキャリーバッグに入れてするのが安全です。
③抱っこしている腕をすり抜ける
隣りのお宅に連れていく途中でさえ、逃げてしまうことがあります。
なにかに驚いたり、興奮したりしている猫を抱っこで逃さないようにすることはできません。
(5)自由外出の猫が帰ってこない
外にはいろいろな刺激や危険があります。いつも帰ってきたからといって、これからも帰ってくる保証はありません。
猫が外に出たがらなくてもすむよう、運動欲求の解消や、快適にすごせる居場所の確保といった、猫と飼い主さんがお互いにストレス少なくたのしく暮らす工夫をしていくことも大切だと思います。
迷子に備える
それでも迷子を完全に防止することはむずかしいかも知れません。
そこでもしもに備えて以下の備えもしておきたいものです。
①首輪をつける
迷子になったとき信憑性の高い目撃情報が得やすいよう首輪をしておきます。
例えば「黒猫」より、「赤い首輪の黒猫」のほうが、迷子チラシを見た方が捜している猫かどうかわかりやすくなります。野良猫と思われ拾われてしまうリスクも減ります。首輪には保護されたときに連絡がもらえるよう飼い主さんの電話番号を記載しておきます。
②うちの猫の特徴がわかる写真を撮っておく
迷子チラシを作るために、座っている正面全身、歩いている横全身、しっぽの形、耳カット、柄などに特徴がある場合は、それがわかる写真を撮っておきます。
③マイクロチップを挿入する
マイクロチップにはGPSタグのように居場所がわかる機能はありませんが、保護された猫がうちの猫である識別ができます。行政機関に保護されたときは連絡がもらえますし、どなたかに迷子と知らずに飼われてしまっていた場合にうちの猫であることを主張できます。
さらにできれば、
③「迷子捜しマニュアル」を読んでおく
迷子になる前に、 犬猫SNS ドコノコの「迷子捜しマニュアル」 を読んでおきます。
迷子になってから保護までの作業の一般的な流れが、わかりやすく解説されています。またドコノコは参加型の迷子掲示板を運営していますので、ご近所で迷子になった猫がいた場合は、ぜひお手伝いをしてみてください。迷子捜しというものが、より身近になると思います。
④うちの猫の捜し方を調べておく
無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」で、うちの猫が迷子になったらどういう捜し方をするようになるのかを事前に調べておくのも、万一のときに慌てずに捜しはじめる助けになると思います。トレイルカメラなど、うちの猫の捜索に必要になる機材を購入しておくとより安心です。
同居のご家族がいる場合、いずれもご自身だけで対策できることではありません。「隙あらば逃げるどうぶつ」と一緒に安心して暮らすために何を注意すべきかをご家族みなさんで話し合って、2度と迷子捜しをしなくてすむ穏やかな毎日が続くことを願っております。
擬人化しすぎず、猫は猫として。
どうぶつである猫といっしょに、
安全に、たのしく、お互いストレス少なく暮らす工夫をたのしんでください。
※ 制作中です。
※ 制作中です。
※ 制作中です。
どれくらいの猫や犬が毎年迷子になっているのでしょうか。
全国で迷子の件数を集計した資料はありませんので、わかる数字から推計してみます。
年間 迷子発生件数推計 猫 6.8万件、犬 1.2万件
以下を根拠に推計しました。
①参考になるのは警察署への遺失物届件数ですが、地域により集計しているところとしていないところがあり、全国集計の資料はありません。そこで、集計している都道府県での年間届出件数を全国の世帯数で換算すると、犬がおよそ1.2万件、猫がおよそ7千件となります。
②ところが、私たちはこれまで6千件を超える迷子捜索を行ってきましたが、そのご依頼の9割が猫です。①で推計した犬と猫の比率とあいません。実際、私たちに捜索依頼をされた猫の飼い主さんの多くが警察署への遺失物届をしておられませんでした。
③そこで、迷子になった場合にほぼすべての飼い主さんが遺失物届をしていると考えられる犬の1.2万件を基準にして、大規模な迷子掲示板集計を公表している「ドコノコ」での猫犬迷子発生比率 = 猫 85%:犬 15% を適応すると、ざっくりではありますが、毎年6.8万件の猫が迷子になっていると推計されます。
これには、すぐに見つかったり、帰ってきたものは含まれていないでしょうから、うっかり外に出てしまった件数はもっと多いかも知れません。
(参考)犬猫SNS ドコノコ 数字でみる犬猫迷子のこと。
迷子の発見率を全国で集計した資料はありません。
犬猫SNS ドコノコで迷子掲示板の大規模な集計が行われていますので、それを参照すると、迷子猫の発見率は 51.8%、迷子犬の発見率は 45.8% とあります。
ドコノコの迷子掲示板では、ご近所にも手伝っていただきながら継続的に捜されているケースが多いので、一般の迷子の発見率はもう少し低いかも知れません。
(出典)犬猫SNS ドコノコ 数字でみる犬猫迷子のこと。
基本的に猫科動物は群れを形成せず単独で生活します。それは命の源である食が大きく関与しています。
猫科動物が獲物を捕らえる方法は、茂みや木の上で待ち伏せしたり瞬間的なスピードや跳躍力を駆使したりして狩りをしています。犬科動物のように群れを形成し持久力を駆使して時間をかけてどこまでも追い詰めて仕留める方法とは異なります。
犬は持久力はあるが瞬発力に欠ける。
猫は瞬発力に長けているが持久力はない。
よって群れを作るより単独で密やかに動いた方が成功率は高くなるのです。
唯一猫科動物の中でライオンはコロニーを形成していますが、理由として縄張りの"地の利"であるといわれています。28のライオンの群れを観察したところ水や食料が最も手に入りやすい場所を縄張りにしている群れの繁殖率が高かったという結果になったそうです。繁殖に適した場所を確保し、子孫を残すために群れで暮らす習性を身につけたのではないかと考えられています。
ライオンのコロニー形成に似た習性はイエネコにも当てはまる要素があり、都心部や農村部で暮らす猫たちは定期的に餌を確保出来る場所に集まり暮らしています。他の猫たちから餌場を守るために1匹で闘うよりも、複数で暮らす方が安定した供給を得られることを学び効率良く暮らしていく方法を選択したようです。
ライオンのコロニーと同じように群れは主にメスの血縁関係に基づいて構成され、オスはメスに比べて着かず離れず群れに属しており、メスは滅多に集団を移ることはありませんがオスは別の群れに移る可能性があります。ライオンも猫も近親交配で血が濃くなりすぎることを避けているのかもしれませんね。
群れで生活する要因として最も重要なポイントは「餌の確保」であり、犬科動物のような明確な秩序や服従はなく緩やかです。
また深夜に行われる猫の集会については、公園などに集まり一堂に会しても特に触れ合いもなくおのおの毛繕いなどをして解散しているため何のために?とも思いますが、一説にはテリトリー内でのメンバー確認作業ともいわれています。
人と猫が接するようになった9500年の歴史の中で、おそらく人猫史上はじめて世界で唯一、国をあげて「猫を外に出さず生涯家の中だけで飼いましょう」と提唱した我が国日本。
背景として、
・環境面からは、糞尿、ゴミ置き場や畑を荒らす、人の敷地を歩きまわる、車に爪痕をつけるといった地域住人からの苦情
・動物愛護の観点からは、外で生まれた仔猫が生存することの厳しさ、交通事故、感染症、また自由外出の場合いつ帰ってこなくなるかわからない
といったことがあげられると思います。
避妊去勢されていない猫たちが、外でどれだけはやく増えてしまうかはご承知の通りです。
では、室内飼育に移行して、迷子の状況はどう変わったのでしょうか。
自由外出のときに比べ、迷子の件数は間違いなく減ったと思います。逆に迷子になった場合の深刻度は大きく増したと感じています。これまで「餌をあげている猫」だったのが、「いつも一緒に暮らす家族」に変わることで、「猫はそのうち自分で帰ってくるよ」では済まされなくなってしまいました。
本来猫の習性として、人にコントロールされることが嫌い、外が好き、冬は寒いから家が好き、他の猫たちと接したい、トイレは外でしたい、お腹が空いたら家に帰る等自由気まま自分が思う通りに生きていきたい動物だと思います。
室内飼育により、地域住人とのもめ事の回避と猫の安全の確保はできますが、反面これまで経験したことがないいろいろな問題もおきてきています。
運動不足による肥満、運動欲求や狩猟本能を満たすことができないことによるストレス、肥満やストレスによって発症する疾患。ストレスによる部屋の破壊行動、夜鳴きや真夜中の運動会による飼い主さんの寝不足。そして外に出たい欲求が募り、隙をみては脱走してしまうなどの問題と向き合わなくてはならなくなってきました。
これは、以前は地域の問題だったことが、室内飼育によって飼い主さんの自宅の中の問題にすり替わってしまった状況と言えるのではないかと思います。社会の寛容さが薄れ、問題が個人に委ねられる傾向は、猫に限ったはなしではなく、この傾向はあともどりすることはないように思います。
そのためたんに「猫は室内で飼いましょう」で終わるのではなく、
擬人化しすぎず、猫は猫として、
どうぶつである猫といっしょに、
安全に、たのしく、お互いストレス少なく暮らしていける工夫の必要性をつよく感じています。
(1)犬の帰巣本能についての誤解
犬は、なにかに驚いてパニックになったり、興味があるものを追いかけたりして突っ走ってしまった場合、興奮がおさまるとひとりで知らない場所にいることが急に不安になり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと知っている場所をさがして歩きまわります。自宅のすぐ近くやいつもの散歩道で迷子になった場合は自力で帰ってくることもありますが、よく知っている場所から離れてしまった場合は自力で帰ってくることはあまり期待できません。
巷では犬は迷子になっても「帰巣本能が優れているので、遠くに行ってもいつかは自分で戻ってくる」という話をよく見聞きするかと思いますが、自宅から離れてしまった場合、室内飼育の犬が自力で帰ってくることはほぼありません。
外で放し飼いにすることが多かった昔は、犬が勝手に外で遊びまわり、お腹が空いたら自分の家に帰ってくるという暮らし方をしていたため、知らない場所からでも家にたどり着く生来の能力が損なわれることはありませんでした。
しかし室内飼育になった現代では、普段知っている場所から離れてひとりになってしまうと、犬はどうしてよいかわからず途方に暮れ、家に帰ろうとして見当違いな方角へ移動を続け、空腹に耐えられなくなると餌場を求めてあてもなく歩きまわるようになってしまいました。
でたらめに歩きまわっているうちに偶然知っている場所にたどり着かない限り、自力で帰ってくることはむずかしいです。
(2)いつまでも散歩コースに執着しない
犬が逸走したのち一時的に毎日歩いている散歩コースに向かうことはあります。散歩コースにたどり着ければ自ら自宅へ帰ってこられる可能性が高くなりますが、数日経過しても帰ってこない場合は散歩コースにはたどり着けなかったと判断するのが妥当です。
散歩コースを数日捜しても見つからない場合はそこにはもういませんので、行政機関への届出と継続的な収容情報の確認、迷子チラシの貼り出しや、SNSでの情報発信と情報収集に作業時間を使ってください。
(3)道を歩きまわり捜すのは居場所がわかってから
犬が逸走してしまった直後からしばらくの間は、まだ失踪地点の近くにいる可能性がありますが、日にちが経過するほどに遠くに移動してしまう傾向があります。東西南北数kmのどこかにいるというような曖昧な憶測で、数名で捜し歩いたり車で捜しまわったりしても、とうてい出会えることは期待できません。
少ない人数で捜し歩くのではなく、手分けして行政機関への届出と迷子チラシの貼り出しやSNSでの情報発信を行い、広範囲に目撃情報を募ります。ノーリードで歩きまわっている犬は目立ちますので、密に情報発信を行えば目撃情報が得られる可能性は充分にあります。
歩いて名前を呼びながら捜す作業は、目撃情報が寄せられピンポイントに居場所が特定されてから行います。
(4)迷子チラシのポスティングは効率が悪い
迷子チラシのポスティングが効果があるのは、猫のように「狭い範囲に留まる可能性が高い動物」に限ります。犬が迷子になり、迷子チラシを5,000枚用意し半径1kmに数日かけてポスティングしたとしても、犬は数分で1kmを駆け抜けてしまうことができます。
警戒心が極端に強いために、いなくなった場所近くに隠れている可能性がある場合は迷子チラシのポスティングは有効ですが、そうでなければ迷子チラシをポスティングするのではなく、行政機関への届出と迷子チラシの貼り出しやSNSでの情報発信といった「広く浅く広範囲に線を押さえる」作業を、犬が遠くに移動していく前にすばやく行うことが効果的です。
(5)盗難にあったのではないかと心配すること
しばらく捜して見つからないと、「盗難にあったのではないか」と心配され、やるべき作業をする前に諦めてしまう飼い主さんもおられます。
野良が多い猫と違い、ノーリードの犬を保護して野良犬だからうちで飼おうと思われる方はあまりおられません。保護して飼い主さんを捜したが見つからず、そのまま飼われてしまったケースはありますが、悪意をもって盗難されるケースは稀です。
盗難されたから捜しても見つからないとネガティブになり諦める前に、行政機関への届出やSNSでの情報発信、迷子チラシの貼り出しなど今やるべき作業を進めてください。
(6)マイクロチップが埋め込まれていても連絡がもらえるとは限らない
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りません。
また、マイクロチップが埋め込まれていても以下の場合は連絡がもらえません。
・登録先が日本獣医師会(AIPO)ではない場合:
ペットショップが日本獣医師会(AIPO)ではなく、自社のデータベースにマイクロチップ情報を登録していた場合、動物病院や行政機関との連携がありませんので、保護されても連絡をもらうことができません。
・飼い主さんの連絡先情報が更新されていない場合:
マイクロチップの登録後に電話番号や住所が変わっていると、保護されても連絡がつかないかも知れません。
うちの犬のマイクロチップが日本獣医師会(AIPO)に登録されているか、電話番号や住所が更新されているかは、環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録>犬や猫の飼い主の方>登録事項の確認・変更 から確認することができます。
※ 犬の行動傾向は、いなくなってからの日にち、犬の性格や身体能力、年齢、まわりの環境などの組み合わせによって違ってくることをご承知おきください。
犬の移動範囲は広く、ノーリードで歩きまわっている犬は目立つため、SNSでの情報発信は有効です。情報発信だけでなく、迷子犬の目撃、保護の投稿や迷子掲示板の情報検索にフルに活用します。
しかしながら、ツイッターやインスタグラムでの情報はすぐに流れてしまいますし、ご年配の方などSNSをやっておられない方には情報が届きません。そこで、迷子チラシを地域の方たちが普段の生活の場で見てくださる場所に許可を得て貼り出し、SNSを補完するように情報発信をしていきます。
また、ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、警察署、保健所、動物愛護センターなどの行政機関に通報・保護されることがとても多いです。行政機関に保護された場合は、SNS上に情報はあがってきませんので、捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をだし、継続的に収容情報を確認します。
うちの犬を見つけたときに、名前を叫んで駆け寄ってしまうと、犬がパニックになり逃げてしまうことがあります。
飼い主さんのいつもと違う様子に驚いたり、飼い主さんと長く離れたことによる不安から警戒心が強くなっていることもありますので、いきなり走り寄らずにまずは遠くからいつも通りに名前を呼び飼い主さんを認識させてから、ゆっくりと近寄り保護してください。
また、犬によっては追いかけられると遊びだと思い、逃げてしまうこともありますので、その場合は追いかけずに後ろに下がりながら呼び戻しをします。
呼び戻しのさい特に注意すべきことは交通事故です。道路の向こうにいる犬を見つけた場合は、呼び寄せる前に車が走ってこないかを必ず確認してください。車が走っているときに絶対呼び寄せてはいけません。犬はまわりを見ずに走ってきますので大変危険です。
ぶじ保護できたら首輪がゆるくなっていないことを確認してください。痩せて首輪が抜けやすくなっていることがあるので、その場合は首輪を締め直してからリードに繋いでください。興奮しているようであれば、ハーネスやチョークをつけてダブルリードにして、再び逃げないようにします。
迷子を捜していて、ご近所にお住まいと方とトラブルになってしまうことがあります。
飼い主さんにとっては「たいせつな家族」でも、「たかが犬くらいで」と思われる方もおられますから、気を悪くされるとクレームになり、その後の捜索に支障をきたしてしまうこともあります。
ついやりがちではありますが、迷子を捜すさいは以下のことをしないよう注意してください。
・無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る。軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
・数人で喋りながら捜しまわる。
・夜中に家のまわりをうろつく、庭を懐中電灯で照らす。
・夜中に迷子チラシをポスティングする。
・無断で庭を覗き込む、トレイルカメラや捕獲器をしかける。
一緒に捜してくださる方たちにも気をつけてくださるよう伝えましょう。
ご近所を捜すときは、ぜひ迷子チラシを持ち歩いてください。不審者がられたときに疑いを晴らすのに役立ちますし、見かけたら連絡がもらえるかも知れません。
また、SNSや迷子チラシに謝礼を記載すると、謝礼めあてに、集団で捜しまわったり、捕まえようと追いまわしたりする人が現れ、地域住民とのトラブルが起きその後の捜索に支障をきたしたり、犬が遠くに移動してしまったりすることがあります。
ご自身がやられたら、ちょっとイヤかもということを想像しながら、ご近所にお住まいと方のご迷惑にならないように、うちの犬を捜してください。迷子の犬のことを心配してくださる方は、たぶんあなたが思っておられるよりもずっと多く、よい関係が築ければきっと力になってくださるはずです。
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、警察署、保健所、動物愛護センターなどの行政機関に通報・保護されることがとても多いです。すぐに必ず捜索範囲を管轄するすべての行政機関に届けを出しておきます。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
①地域の交番・警察署
警察署では、迷子の犬は落とし物(遺失物)として扱われます。
地域の方が迷子を保護した場合は、最寄りの警察署に拾い物(拾得物)として届けることが多いので、昼夜を問わず警察署に確認をしてください。犬がノーリードで歩きまわることは条例で禁止されているため、通報され交番で保護されることもあります。
警察署に迷子の届けがない場合は、「遺失届」を出しておきます。
警察署では動物を長期間預かることはできないので、保健所または動物愛護センターに移送されます。
②市区町村の保健所・生活衛生課管理係
犬が迷子になった場所の市区町村にある保健所へ連絡して、うちの犬が収容されていないかを確認します。外観が似た犬が収容されている場合は、保健所へ行って確認します。
捜している犬がいない場合は、迷子の届出をしておきます。
警察署や保健所は地域ごとに管轄がわかれていて、情報が共有されていない場合もありますので、いなくなった場所だけでなく、隣接する場所の警察署や保健所にも確認する必要があります。
③都道府県の動物愛護センター
都道府県にある動物愛護センターでは、警察署や保健所から移送された動物が収容されます。
自宅から遠い場合は電話で迷子の届けをしてください。写真や特徴の書かれた迷子チラシがあれば、センターで迷子の確認がしやすくなりますので、電話で届けを出したあとに迷子チラシを作成して送りましょう。センターによっては手渡しや郵送だけでなくメールでも迷子チラシを受け取ってくれるところがあります。
④地域の清掃事務所
とても残念なことですが、車にひかれるなどして路上で遺体になった場合、最寄りの清掃事務所に回収され焼却されることがあります。
清掃事務所は道路ごとに異なっていて、国道と高速道路は国土交通省、県道は都道府県、市町村道は市町村と管轄がわかれているため、全ての事務所に確認する必要があります。
回収された場合、通常2日~3日で焼却され記録は残りませんので早めに電話で確認する必要があります。
⑤地域の動物病院
怪我や衰弱をしているところを保護され運び込まれることがありますので、電話で確認します。地域の犬や猫の飼い主さんたちに迷子のことを知っていただくために、迷子チラシを受付に掲示していただけるようお願いに行きます。
具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径10km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
①地域の交番・警察署
警察署に迷子の犬の届出があった場合は、「拾得物」として公開されますので、うちの犬の可能性がある場合は保護されている場所を教えていただき直接確認に行きます。
拾得物の公開方法は自治体によって違いがありますので、警察署で確認をしてください。
犬を見つけて交番に連れてきてくださった方が、飼い主さんが見つかるまで自宅で保護してくださっているケースもあります。その場合でも警察署には記録が残りますので、預かり保護されている犬がいないかを問い合わせてください。
②市区町村の保健所・生活衛生課管理係、都道府県の動物愛護センター
保護された犬の情報は公開されますので、うちの犬の可能性がある場合は直接確認に行きます。
収容動物情報の公開方法は自治体によって違いがありますので、保健所と動物愛護センターに確認をしてください。
また、マイクロチップが埋め込まれていても以下の場合は連絡がもらえません。
・登録先が日本獣医師会(AIPO)ではない場合:
ペットショップが日本獣医師会(AIPO)ではなく、自社のデータベースにマイクロチップ情報を登録していた場合、動物病院や行政機関との連携がありませんので、保護されても連絡をもらうことができません。
・飼い主さんの連絡先情報が更新されていない場合:
マイクロチップの登録後に電話番号や住所が変わっていると、保護されても連絡がつかないかも知れません。
うちの犬のマイクロチップが日本獣医師会(AIPO)に登録されているか、電話番号や住所が更新されているかは、環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録>犬や猫の飼い主の方>登録事項の確認・変更 から確認することができます。
③地域の清掃事務所
残念ながら、犬を回収したとしても飼い主さんに連絡することは清掃事務所の業務ではありません。通常、首輪をしていたとしても確認されることはありません。連絡をくださる事務所の方もおられますが、それは担当の方のお気持ちによるものです。
つらいことではありますが、飼い主さんが継続的に確認をする必要があります。
また、個人や法人の敷地内で発見された場合は清掃事務所が回収することはありませんので、記録は残りません。
(1)犬は迷子になるとどうなるのか
①しばらくして自力で帰ってくる
外に出てしばらく歩きまわってから、自分で帰ってくることがあります。
②遠方まで移動を続ける
犬は、なにかに驚いてパニックになったり、興味があるものを追いかけたりして突っ走ってしまった場合、興奮がおさまるとひとりで知らない場所にいることが急に不安になり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと知っている場所をさがして歩きまわります。自宅のすぐ近くやいつもの散歩道で迷子になった場合は自力で帰ってくることもありますが、よく知っている場所から離れてしまった場合は自力で帰ってくることはあまり期待できません。
巷では犬は迷子になっても「帰巣本能が優れているので、遠くに行ってもいつかは自分で戻ってくる」という話をよく見聞きするかと思いますが、自宅から離れてしまった場合、室内飼育の犬が自力で帰ってくることはほぼありません。
外で放し飼いにすることが多かった昔は、犬が勝手に外で遊びまわり、お腹が空いたら自分の家に帰ってくるという暮らし方をしていたため、知らない場所からでも家にたどり着く生来の能力が損なわれることはありませんでした。
しかし室内飼育になった現代では、普段知っている場所から離れてひとりになってしまうと、犬はどうしてよいかわからず途方に暮れ、家に帰ろうとして見当違いな方角へ移動を続け、空腹に耐えられなくなると餌場を求めてあてもなく歩きまわるようになってしまいました。
でたらめに歩きまわっているうちに偶然知っている場所にたどり着かない限り、自力で帰ってくることはむずかしいです。
年齢にもよりますが、迷子になった犬が1日に移動できる距離の目安は、超小型犬で500m、小型犬で1km、中型・大型犬で5kmほどになります。犬種によってはさらに遠くまで移動することもあります。住宅地より遮蔽物の少ない山間部や田畑の多い地域のほうが移動距離がのびる傾向があります。小型犬でも一見渡れないように思われる交通量の多い道路や線路、河川などを渡ってしまうこともあります。帰る方角がわからなくなっている場合は、直線的に移動するのではなくでたらめに移動し、同じ場所をぐるぐるまわっていることもあります。
人懐っこい性格の場合ひとけのある場所へ、警戒心が強い性格の場合ひとけのない静かな場所へ移動していく傾向があります。
迷子になってしばらくは、飼い主さんのもとへ戻ろうと移動を続けますが、日にちが経過し空腹が耐えられなくなると食餌を摂ることが最優先になっていきます。家に帰ろうと長距離の移動を続けていたとしても、食餌を摂ることが難しい状況が続くと体力が落ちてきますし、食餌をさがすのに時間をとられるため、1日の移動距離が短くなっていきます。道を歩いていれば人から餌をもらえ、生ゴミが豊富にあった昔と違い、現代では犬が何日も長距離移動し続けることはむずかしくなっています。
迷子になり1ケ月以上経過すると放浪生活の疲労が蓄積してきますので、コンスタントに食餌を摂ることができる場所が見つかればそこに定着する傾向があります。行政機関や地域にお住まいの方に保護されるケースも増えてきます。
③隠れてじっとしている
極端に警戒心が強い犬の場合、逃げ出したときの興奮がおさまると人やまわりの環境が怖くなり、歩きまわるのではなく暗くて狭くて奥が深い場所を見つけて潜り込むことがあります。そこに潜り込んだらしばらく出てきません。しかしいつまでも何も食べないわけにはいきませんので、やがて水と餌を求めてやむなく恐る恐る、隠れた場所からひとけのない時間帯にこっそり出てきてまた隠れることを繰り返しながら、餌を求めて少しずつ移動していきます。
怪我や衰弱をして、その回復を待つために安心できる場所に潜り込んでいる場合もあります。
④行政機関に保護される
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、警察署、保健所、動物愛護センターなどの行政機関に通報・保護されることがとても多いです。保護されたとき首輪に連絡先が記載してあれば、すぐに連絡がもらえます。
警察署、保健所などで保護された場合、最終的に都道府県の動物愛護センターに移送され、収容期間が過ぎると譲渡対象となります。保護団体の方が引き出してくださる場合もあります。
⑤地域の人に保護される
犬を見つけた方が交番に連れていくと、交番では預かれないので動物愛護センターに連れていくか、飼い主さんが捜しにくるまで自宅で保護してもらえないかとお願いされることがあります。自宅に連れて帰りお世話してくださった場合、飼い主さんが交番に提出された拾得物届を見つけるまで、そのままそのお宅で保護されていることがあります。自宅に迷子の犬を迎えた場合、ノミ・ダニや感染症の検査に動物病院に連れていかれることが多いです。
また、怪我や衰弱をしているところを保護され動物病院に運び込まれることがあります。具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもあります。
⑥だれかに飼われる
犬の入手先の1.6%が「野良犬を拾った」という調査結果があります。
人懐っこい小型犬の場合、見つけた人が保護し、行政機関に届出をせずそのまま飼ってしまっているケースも稀にあります。
(出典)ペットフード協会 令和4年(2022年) 全国犬猫飼育実態調査
⑦もと住んでいた場所に戻っていく
一時預かりや、譲渡直後にいなくなるケースがあります。もともと外で暮らしていた犬はもといた場所に戻ろうとすることがあります。
⑧野良化する
稀に山林で野犬化することがあります。
⑨死亡する
とても残念なことですが、事故などによる怪我または病気や衰弱で死亡することがあります。
(2)日にちの経過により捜し方を変える
空腹と疲労によって犬の行動は変化していきますので、いなくなってからの日にちに応じて捜し方を変えていく必要があります。
①いなくなってすぐ
・すぐにまわりを捜す
なにかに驚いてパニックになったり、興味があるものを追いかけたりして突っ走ってしまった場合、犬は興奮がおさまると急に不安になり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと知っている場所をさがして歩きまわります。
自宅や散歩中に迷子になった場合は、まず自宅まわりや散歩道を手分けして捜します。捜したときに出会えなくても、地域の方が見かけたら連絡がもらえるように連絡先のメモや迷子チラシを手渡しします。
・警戒心が極端に強い犬の場合
逃げ出したときの興奮がおさまると人やまわりの環境が怖くなり、歩きまわるのではなく、安心できる場所を見つけて潜り込むことがあります。そこに潜り込んだらしばらく出てきません。
いなくなった場所近くで人が入っていかないような、暗くて狭くて奥が深い場所を懐中電灯を使って虱潰しに捜します。
・交番への届出
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、行政機関に通報・保護されるケースは多いです。近隣の交番にはすぐに届出をだしておきます。
②数日が経過した場合
・広範囲への情報発信
飼い主さんとはぐれると犬は不安定な精神状態となり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと、知っている場所をさがして歩き続けます。
年齢にもよりますが、迷子になった犬が1日に移動できる距離の目安は、超小型犬で500m、小型犬で1km、中型・大型犬で5kmほどになります。犬種によってはさらに遠くまで移動することもあります。住宅地より遮蔽物の少ない山間部や田畑の多い地域のほうが移動距離がのびる傾向があります。小型犬でも一見渡れないように思われる交通量の多い道路や線路、河川などを渡ってしまうこともあります。帰る方角がわからなくなっている場合は、直線的に移動するのではなくでたらめに移動し、同じ場所をぐるぐるまわっていることもあります。
人懐っこい性格の場合ひとけのある場所へ、警戒心が強い性格の場合ひとけのない静かな場所へ移動していく傾向があります。
同じ場所をぐるぐるまわっていることもありますが、犬がどう移動するかはわからないので、最後に目撃された場所を中心に、1日に移動できる距離 × 目撃されてからの日数で捜索範囲を決めていきます。
いなくなった場所を数日間捜しても見つからない場合はもうそこにはいないと考え、道を歩いて捜すのではなく、迷子チラシを捜索範囲に許可を得て貼り出すことで、見かけたら連絡がもらえる体制をつくっていきます。また、SNSで迷子を捜していることを発信し、迷子犬の目撃情報や迷子掲示板の情報もチェックします。
・警戒心が極端に強い犬の場合
どんなに警戒心が強くても、いつまでも何も食べないわけにはいかないので、数日中には水と餌を求めて移動をはじめます。移動をはじめると人目につきますので、いなくなった場所周辺に許可を得て迷子チラシを貼り、見かけたら連絡がもらえる体制をつくっていきます。
さらにできれば、いなくなった場所周辺全戸に隙間なく迷子チラシをポスティングして、移動をはじめたらすぐに連絡がもらえるよう網をかけていきます。
・行政機関への届出
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、行政機関に通報・保護されるケースは多いです。交番だけでなく保健所や動物愛護センターなど捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をだしておきます。
怪我や衰弱をしているところを保護され動物病院に運び込まれることがあります。具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径10km圏内のすべての動物病院に迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
③数週間が経過した場合
・1日の移動距離が短くなる
いなくなってしばらくは、飼い主さんのもとへ戻ろうと移動を続けますが、日にちが経過し空腹が耐えられなくなると食餌を摂ることが最優先になっていきます。家に帰ろうと長距離の移動を続けていたとしても、食餌を摂ることが難しい状況が続くと体力が落ちてきますし、食餌をさがすのに時間をとられるため、1日の移動距離が短くなっていきます。
そのため、1日に移動できる距離 × いなくなってからの日数で捜索範囲をどこまでも拡げていくのではなく、超小型犬では半径5km、小型犬では半径10km、中型・大型犬では半径30kmを移動上限の目安として捜索範囲を決めていきます。
捜索範囲を管轄するすべての行政機関に届出をします。
迷子チラシを許可を得て人目につく場所に貼って目撃情報を募ります。
また、想定した捜索範囲よりも外へ出てしまうことに備えて、SNSで迷子を捜していることを発信し、迷子犬の目撃情報や迷子掲示板の情報もチェックします。
・行政機関への届出
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、行政機関に通報・保護されるケースは多いです。日にちが経過し空腹や疲労が蓄積してくると保護されるケースが増えてきますので、捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をだしておきます。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
怪我や衰弱をしているところを保護され動物病院に運び込まれることがあります。具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径10km圏内のすべての動物病院に迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
・まったく目撃情報がない場合
行政機関に届出をし、SNSで迷子情報を発信し、迷子チラシをひろく貼り出しているにもかかわらず、まったく目撃情報がない場合は、遠くへ移動する前にいなくなった場所周辺にお住まいの方に保護されているケースもあります。
犬を見つけた方が交番に連れていくと、交番では預かれないので動物愛護センターに連れていくか、飼い主さんが捜しにくるまで自宅で保護してもらえないかとお願いされることがあります。自宅に連れて帰りお世話してくださった場合、飼い主さんが交番に提出された拾得物届を見つけるまで、そのままそのお宅で保護されていることがあります。
人懐っこい小型犬の場合、見つけた人が保護し、行政機関に届出をせずそのまま飼ってしまっているケースも稀にあります。
自宅に迷子の犬を迎えた場合、ノミ・ダニや感染症の検査に動物病院に連れていったり、散歩に連れていったりするようになりますので、保護してくださっている方やご近所の方に気がついてもらえるよう、いなくなった場所周辺に許可を得て迷子チラシを密に貼り出し、さらにできればいなくなった場所周辺全戸に漏れなく迷子チラシをポスティングします。
④1ケ月以上経過した場合
・犬が移動しなくなる
犬は水を摂取することはできますが、猫のように鳥や虫を捕食し飢えをしのぐことはむずかしく、また生ゴミも昔と違い管理されているため常に空腹で、野良猫用の置き餌を食べたりしながら飢えをしのぐことになります。迷子になりある程度日数が経過すると放浪生活の疲労が蓄積してきますので、コンスタントに食餌を摂ることができる場所が見つかればそこに定着する傾向があります。行政機関や地域にお住まいの方に保護されるケースも増えてきます。
そのため、1日に移動できる距離 × いなくなってからの日数で捜索範囲をどこまでも拡げていくのではなく、超小型犬では半径5km、小型犬では半径10km、中型・大型犬では半径30kmを移動上限の目安として捜索範囲を決めていきます。その範囲でうちの犬が保護されたり定着したりしていないかの情報収集と情報発信を行います。
捜索範囲を管轄するすべての行政機関に届出をして継続的に収容情報を確認します。
迷子チラシを許可を得て人目につく場所に密に貼り、地域で保護してくださっている方がいれば、その方とそのご近所の方に迷子を捜していることを知っていただきます。
また、想定した捜索範囲よりも外へ出て保護されている場合に備え、SNSで迷子を捜していることの発信を続け、迷子犬の目撃情報や迷子掲示板の情報もチェックします。
・行政機関収容情報の確認
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、行政機関に通報・保護されるケースは多いです。日にちが経過し空腹や疲労が蓄積してくると保護されるケースが増えてきますので、捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をだしておきます。
行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。保護団体の方が引き出してくださっている場合もありますので、地域の動物愛護センターに確認します。
※ 犬の行動傾向は、いなくなってからの日にち、犬の性格や身体能力、年齢、まわりの環境などの組み合わせによって違ってくることをご承知おきください。
犬は、なにかに驚いてパニックになったり、興味があるものを追いかけたりして突っ走ってしまった場合、興奮がおさまるとひとりで知らない場所にいることが急に不安になり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと知っている場所をさがして歩きまわります。自宅のすぐ近くやいつもの散歩道で迷子になった場合は自力で帰ってくることもありますが、よく知っている場所から離れてしまった場合は自力で帰ってくることはあまり期待できません。
巷では犬は迷子になっても「帰巣本能が優れているので、遠くに行ってもいつかは自分で戻ってくる」という話をよく見聞きするかと思いますが、自宅から離れてしまった場合、室内飼育の犬が自力で帰ってくることはほぼありません。
外で放し飼いにすることが多かった昔は、犬が勝手に外で遊びまわり、お腹が空いたら自分の家に帰ってくるという暮らし方をしていたため、知らない場所からでも家にたどり着く生来の能力が損なわれることはありませんでした。
しかし室内飼育になった現代では、普段知っている場所から離れてひとりになってしまうと、犬はどうしてよいかわからず途方に暮れ、家に帰ろうとして見当違いな方角へ移動を続け、空腹に耐えられなくなると餌場を求めてあてもなく歩きまわるようになってしまいました。
でたらめに歩きまわっているうちに偶然知っている場所にたどり着かない限り、自力で帰ってくることはむずかしいです。
犬は、なにかに驚いてパニックになったり、興味があるものを追いかけたりして突っ走ってしまった場合、興奮がおさまるとひとりで知らない場所にいることが急に不安になり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと知っている場所をさがして歩きまわります。自宅のすぐ近くやいつもの散歩道で迷子になった場合は自力で帰ってくることもありますが、よく知っている場所から離れてしまった場合は自力で帰ってくることはあまり期待できません。
年齢にもよりますが、迷子になった犬が1日に移動できる距離の目安は、超小型犬で500m、小型犬で1km、中型・大型犬で5kmほどになります。犬種によってはさらに遠くまで移動することもあります。住宅地より遮蔽物の少ない山間部や田畑の多い地域のほうが移動距離がのびる傾向があります。小型犬でも一見渡れないように思われる交通量の多い道路や線路、河川などを渡ってしまうこともあります。帰る方角がわからなくなっている場合は、直線的に移動するのではなくでたらめに移動し、同じ場所をぐるぐるまわっていることもあります。
人懐っこい性格の場合ひとけのある場所へ、警戒心が強い性格の場合ひとけのない静かな場所へ移動していく傾向があります。
迷子になってしばらくは、飼い主さんのもとへ戻ろうと移動を続けますが、日にちが経過し空腹が耐えられなくなると食餌を摂ることが最優先になっていきます。家に帰ろうと長距離の移動を続けていたとしても、食餌を摂ることが難しい状況が続くと体力が落ちてきますし、食餌をさがすのに時間をとられるため、1日の移動距離が短くなっていきます。道を歩いていれば人から餌をもらえ、生ゴミが豊富にあった昔と違い、現代では犬が何日も長距離移動し続けることはむずかしくなっています。
犬は水を摂取することはできますが、猫のように鳥や虫を捕食し飢えをしのぐことはむずかしく、また生ゴミも昔と違い管理されているため常に空腹で、野良猫用の置き餌を食べたりしながら飢えをしのぐことになります。迷子になり1ケ月以上経過すると放浪生活の疲労が蓄積してきますので、コンスタントに食餌を摂ることができる場所が見つかればそこに定着する傾向があります。行政機関や地域にお住まいの方に保護されるケースも増えてきます。
身体能力や気質に犬種による傾向がありますので、犬種によって捜し方は違ってきます。
「迷子を見つける500の方法」であなたの犬の犬種の捜し方を調べてください。
①仔犬期(1歳未満)
好奇心旺盛であらゆるものに関心を示して夢中になって行動しますが、ふと我にかえり飼い主さんや帰る家がわからない状態になると、不安から衝動的に動きまわり自ら人や犬に寄りついて保護されることがあります。
②成犬期(1歳-6歳)
知力体力共に充実している年齢のため迷子になった時も積極的に行動します。他の犬に興味を示したりマーキングされた場所の匂いを嗅いだりします。そのため直線的に動くのではなく、あちらこちらと立ち寄りながら行動するため、若くて体力があるからすぐに遠くに移動してしまうと思われがちですが、予想したよりも意外と近くで発見されることがあります。
③高齢期(7歳以上)
年齢的に落ち着きが出てくるため、迷子になった場合にもやみくもに動きまわるだけではなく、冷静に判断し行動する傾向があります。まだ体力の衰えを感じないので一箇所に留まるよりも移動する傾向にあります。
④後期高齢期(小型・中型犬12歳以上、大型犬10歳以上)
年齢的に体力が低下してきているため疲れやすく移動速度は遅くなります。ただ若い頃のようにマーキングの匂いや異性に対しての関心は薄くなっているため直線的に動く傾向があり、予想したよりも遠くまで移動していることがあります。特に認知症が要因で迷子になってしまった場合は、ひたすらトボトボと歩くため距離が伸びてしまうケースがあります。
※ 犬の行動傾向は、いなくなってからの日にち、犬の性格や身体能力、年齢、まわりの環境などの組み合わせによって違ってくることをご承知おきください。
服薬している薬の効果が薄れ具合が悪くなると、回復を待つために人や他の動物が来ない暗くて狭くて奥が深い場所を見つけて潜り込むことがあります。
薬が切れるとすぐに重い病気の症状が現われる場合は、遠くには行けず、いなくなった場所のごく近くで安心できる場所を見つけて潜り込もうとします。
順調に回復すると潜伏している場所から外に出てこようとします。
服薬治療中の犬が行方不明になった場合、多くの飼い主さんが「薬が切れるとすぐに具合が悪くなるので、もう亡くなっているかもしれない」とネガティブに捉えがちですが、日数が経過して発見された場合でも健康面に問題がない場合も多々あるため、諦めずに着実に作業を進めてください。
具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径10km圏内の動物病院にはすべて迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
野良経験のある犬を里親として家に迎えた場合、家から脱走してしまうケースがあります。
新しい飼い主さんや新しい住環境は、犬にとっては慣れるまではストレスになるので、もといた場所に帰ろうと外に出ることがあります。
比較的まだ慣れていない時期に脱走する傾向があり、室内より外の環境の方が慣れているためしばらくは見知らぬ土地で戸惑いながら行動しますが、安心出来る場所を見つけて定着する傾向があります。
コンスタントに食餌を摂ることができる場所が見つからず、日数が経過して空腹や疲労が蓄積してくると保護されることもあります。
リードが外れることなくついたままの場合、枝や狭い場所に引っかかり、外そうと暴れているうちに身体に巻きついて動けなくなってしまうことがあります。いなくなった場所周辺を手分けして名前を呼びながら捜してください。
リードがついたままの犬は、リードを踏むことで捕獲が容易になるため、どなたかが保護して行政機関に届けてくださっている場合もあります。地域の交番・警察署、保健所、動物愛護センターにすぐに問い合わせをしてみてください。
犬が移動して捜索範囲がひろくなってしまっている場合は、ひとりで捜し歩いても出会えるのは運頼りになってしまいますので、広範囲に手早く迷子チラシを貼り目撃情報を募ります。迷子チラシを貼ることで、捜し歩いたときには出会えなくても、地域住民の方が見かけたら連絡をくださる体制ができあがっていきます。
貼り出された迷子チラシをスマホで写真に撮って気にしてくださる犬猫好きの方は、あなたが思っているよりもずっと多いです。
万一、怪我や病気で衰弱しているところを保護してくださった方がいれば、その犬が捜している犬であることを知っていただくこともできます。
SNSでの迷子情報発信も有効ですが、ツイッターやインスタグラムでの情報はすぐに流れてしまいますし、ご年配の方などSNSをやっておられない方には情報が届きません。そこで、迷子チラシを地域の方たちが普段の生活の場で見てくださる場所に許可を得て貼り出し、SNSを補完するように情報発信をしていきます。
迷子の猫と違い、迷子の犬はどんどん移動していきますので、飼い主さんが迷子チラシを1軒ずつポスティングしていては間に合いません。そこで迷子チラシはポスティングするのではなく、捜索範囲に手早く貼りひろく目撃情報を募ります。
(1)迷子チラシの貼り方
①ポイント貼り
犬の散歩コースや買い物などで人が集まるポイントに貼っていきます。1ヶ所で多くの人に見ていただけるので効率がよいです。また人懐っこい犬の場合、ひとけのある場所へ移動していく傾向があるので効果が期待できます。
②放射貼り
犬がいなくなった場所を中心に、北/北東/東/南東/南/南西/西/北西と八方位に放射状に外に向かって貼っていきます。比較的移動がはやい中型・大型犬に効果的です。目撃情報が入れば移動している方角を絞り込むことができます。移動がはやいようであれば、目撃情報が入った場所を中心に再度放射貼りをします。移動がはやくない場合は、目撃情報が入った場所を中心に円形貼りとポイント貼りを併用します。
③円形貼り
犬がいなくなった場所を中心に円で囲むように貼っていきます。包囲網のイメージです。比較的移動が遅い小型犬で、いなくなってからまだ日にちがたっていない場合に効果が期待できます。目撃情報が入れば移動している方角を絞り込むことができます。目撃情報が入った場所を中心に円形貼りとポイント貼りを併用します。
3つすべての方法を組み合わせて貼っていくことが望ましいですが、人手が足りない場合は、うちの犬の性格と想定される移動距離から貼り方を選びます。
Google マップで、以下のような人が集まる場所をピックアップしておおよその枚数を見積もります。
・具合が悪くなると運び込まれる 動物病院
・買い物で多くの人が訪れる コンビニ、スーパーや飲食店
・ペットの飼い主さんが訪れる ペットサロン、ペット用品ショップ
・自治会の 集会所、掲示板、ゴミステーション
・多くの人が住んでいる マンションの掲示板
・地域の方が訪れる 幼稚園、保育園、習い事の教室、お寺、神社
・地域をまわる 新聞配達所、郵便局、宅配便配達営業所、ポスティングセンター
(2)動物病院
怪我や衰弱をしているところを保護され動物病院に運び込まれることがあります。具合が悪くなっているところを車で通りがかった人が保護してくださり、その方の自宅近くの動物病院に連れていかれたケースもありますので、少なくとも半径10km圏内のすべての動物病院に迷子チラシを持っていき、できれば受付に貼っていただけるようお願いをします。
(3)コンビニや飲食店
日にちが経過し空腹が耐えられなくなると食餌を摂ることが最優先になっていきます。犬は水を摂取することはできますが、猫のように鳥や虫を捕食し飢えをしのぐことはむずかしく、また住宅地の生ゴミも昔と違い管理されているため常に空腹で、食餌の匂いのするコンビニや飲食店のまわりをうろつくようになることがあります。迷子を捜していることを伝え、できればお店の外に迷子チラシを貼っていただけるようお願いをします。コンビニや飲食店で保護されるケースもあります。
(4)注意すること
①無許可で電柱などに貼ることはできませんので、動物病院とコンビニ、スーパー、飲食店、ペットサロンなど人が集まる場所に無理のない範囲でお願いして貼っていただきます。
貼った場所はすべて地図に記録しておきます。
②迷子チラシの貼り出しをお願いするさいは掲示する期間を伝えるようにしてください。
③捜索を手伝ってくださる方にも迷子チラシを無断で街頭に貼ってはいけないことを周知してください。地域の方とのトラブルになり、捜索作業を続けるのが難しくなってしまうことがあります。
※ 無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る行為は軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
猫と違い、ノーリードで歩きまわっている犬が何頭もいることはありませんので、迷子チラシのデザインはシンプルに以下があれば充分です。
・犬の名前
・外観、毛色や柄がわかる写真
・大きさがわかる写真
・いなくなった日にち
・いなくなった場所
・飼い主さんの名字と電話番号
・見かけたら写真を撮っていただけるようお願いする
・できれば保護をお願いする、または追いかけず見かけたら連絡いただけるようお願いする
(ご参考)情報を絞ったシンプルな迷子チラシのデザインの参考に
ペットレスキューでも、特徴を絞り込んだシンプルな迷子チラシのデザイン・印刷のご依頼をお受けしておりますので、お申し付けください。
連絡先として掲載するものの種類は、携帯電話番号、固定電話番号、メールアドレス、LINE アカウント、ツイッターアカウントなどがありますが、携帯電話番号を掲載されることをお勧めします。迷子チラシを見て連絡をくださるのはご年配の方も多く、メールやSNSのアカウントでは連絡がもらえないことがあります。
また飼い主さんのお名前の掲載も必要です(カタカナの名字で大丈夫です)。
私たちが出張捜索で迷子チラシをつくるさいも、飼い主さんの携帯電話番号と担当スタッフの携帯電話番号を記載するようにしています。
電話番号と名前という個人情報を開示することへの心配があるとは思いますが、これまでの経験では、いたずらや悪意をもった電話がかかってくることはほとんどありません。
よくある質問ですが、迷子チラシに謝礼を記載することはお勧めしません。
理由として、
(メリット)
・迷子チラシを見た「犬に関心がない人」にも関心をもっていただける。
(リスク)
・謝礼めあてに、集団で捜しまわったり、捕まえようと追いまわしたりする人が現れる。その結果、地域住民とのトラブルが起きその後の捜索に支障をきたしたり、犬が遠くに移動してしまったりすることがあります。
そもそも謝礼の有無とは関係なく、ノーリードで歩いている犬を見かけたら連絡をくださる方がほとんどです。謝礼を記載しても有益な情報が得られる可能性はあまり変わらず、リスクだけが高くなりがちです。
犬の場合、迷子チラシは貼り出しに使います。また必要に応じてポスティングにも使います。
(1)迷子チラシを貼る
迷子の猫と違い、迷子の犬はどんどん移動していきますので、飼い主さんが迷子チラシを1軒ずつポスティングしていては間に合いません。そこで迷子チラシはポスティングするのではなく、捜索範囲に手早く貼りひろく目撃情報を募ります。
年齢にもよりますが、迷子になった犬が1日に移動できる距離の目安は、超小型犬で500m、小型犬で1km、中型・大型犬で5kmほどになります。犬種によってはさらに遠くまで移動することもあります。住宅地より遮蔽物の少ない山間部や田畑の多い地域のほうが移動距離がのびる傾向があります。
最後に目撃された場所を中心に、1日に移動できる距離 × 目撃されてからの日数で捜索範囲を決めていきます。
ポイント貼り、放射貼り、円形貼り、3つすべての方法を組み合わせて貼っていくことが望ましいですが、人手が足りない場合は、うちの犬の性格と想定される移動距離から貼り方を選びます。
Google マップで、以下のような人が集まる場所をピックアップしておおよその枚数を見積もります。
・具合が悪くなると運び込まれる 動物病院
・買い物で多くの人が訪れる コンビニ、スーパーや飲食店
・ペットの飼い主さんが訪れる ペットサロン、ペット用品ショップ
・自治会の 集会所、掲示板、ゴミステーション
・多くの人が住んでいる マンションの掲示板
・地域の方が訪れる 幼稚園、保育園、習い事の教室、お寺、神社
・地域をまわる 新聞配達所、郵便局、宅配便配達営業所、ポスティングセンター
(2)迷子チラシをポスティングする
移動を続けていれば、ノーリードで歩きまわっている犬は目立つため目撃されます。
行政機関に届出をし、SNSで迷子情報を発信し、迷子チラシをひろく貼り出しているにもかかわらず、まったく目撃情報がない場合は、遠くへ移動する前にいなくなった場所周辺にお住まいの方に保護されているケースもあります。
犬を見つけた方が交番に連れていくと、交番では預かれないので動物愛護センターに連れていくか、飼い主さんが捜しにくるまで自宅で保護してもらえないかとお願いされることがあります。自宅に連れて帰りお世話してくださった場合、飼い主さんが交番に提出された拾得物届を見つけるまで、そのままそのお宅で保護されていることがあります。
人懐っこい小型犬の場合、見つけた人が保護し、行政機関に届出をせずそのまま飼ってしまっているケースも稀にあります。
自宅に迷子の犬を迎えた場合、ノミ・ダニや感染症の検査に動物病院に連れていったり、散歩に連れていったりするようになりますので、保護してくださっている方やご近所の方に気がついてもらえるよう、いなくなった場所周辺全戸に漏れなく迷子チラシをポスティングします。
一戸建ての多い住宅地であれば、例えば半径500mの範囲にポスティングするのに、およそ2,000枚の迷子チラシが必要になります。
ポスティングの時間がとれない場合は、地元の新聞折り込みかポスティング業者への依頼も検討します。
(ご参考) いなくなった場所から半径500mに何世帯あるかは、ポスティング業者さまのサイトからお調べいただくことができます。
迷子チラシには、ポスティングしやすい B5 サイズ・薄紙(73kg)、写真がきれいな光沢紙(コート)が適しています。
ラクスル、グラフィック、プリントパックなどはネットで印刷を発注することができ、納期もはやいです。
(1)ポスティングの進め方
①日中、迷子チラシを犬がいなくなった場所周辺全戸に、近場からポスティングしていきます。お住まいの方にお話を聞きながらでは時間がかかりますので、郵便受けに次々入れていきます。
②闇雲にポスティングせず、ブロックごとにポスティングを進め、ゼンリンの住宅地図にポスティングした家を書き込みながら計画的にポスティングをします。
③チラシの投函が禁止されているマンションは、掲示板に迷子チラシを貼っていただけるよう管理人さんにお願いしてみてください。
④郵便受けに「チラシお断り」と表示されている場合は投函を控えます。また、チラシや郵便物が詰まっている郵便受けへは投函しません。
⑤目撃情報が入ってくるまで、全方向に迷子チラシのポスティング範囲を拡げていきます。
⑥迷子チラシのポスティングは、100枚におよそ1時間かかります。お手伝いをお願いできる人がいたら、手分けして進めてください。
迷子チラシのポスティングを人にお願いするさいは、ポスティングして欲しいブロックをマーカーペンで囲ったゼンリンの住宅地図を一緒に渡して、ポスティング記録を書き込んでいただくようお願いしてください。ポスティングが完了したら住宅地図を回収します。住宅地図で全体のポスティング記録を把握できるようにしておかないと、どこにポスティングしたのかがわからなくなります。
(2)ポスティングでトラブルにならないための注意点
ポスティングをすること自体は違法ではありませんが、投函禁止が表記されている住宅に配布することや、集合住宅などで管理者の意思に反した投函をした場合にクレームになってしまう場合があります。
そのため、ポスティングがクレームにつながってしまうリスクを意識し、ルールやマナーをしっかりと守りながら実施するようにします。
①トラブルにならないよう注意すること
・一戸建て住宅で「チラシお断り」と表記されている場合は投函を控えます。
・集合住宅で「チラシお断り」と表記されている場合は、管理者の許可をいただいてから投函するようにします。
・不審者と見なされないように、夜間ポスティングは避けます。
②クレームになった場合の対処法
・謝罪する
・チラシ回収
・今後投函をしないことを約束する
迷子チラシのポスティングは、100枚におよそ1時間かかります。お手伝いをお願いできる人がいたら、手分けして進めてください。
迷子チラシのポスティングを人にお願いするさいは、ポスティングして欲しいブロックをマーカーペンで囲ったゼンリンの住宅地図を一緒に渡して、ポスティング記録を書き込んでいただくようお願いしてください。ポスティングが完了したら住宅地図を回収します。住宅地図で全体のポスティング記録を把握できるようにしておかないと、どこにポスティングしたのかがわからなくなります。
住宅地図は、ゼンリンが販売する、地名と1軒ずつ表札の名前が記載された白地図です。全国が網羅されており、横約610m×縦約380mのエリアがA3サイズに記載されています。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンにあるマルチコピー機を操作して必要なエリアを選択し、プリントアウトします。1枚 400円(税込)。捜索範囲が A3 1枚で収まらない場合は、範囲をずらして印刷して貼り合わせ、大きな地図を作ります。
5:05 から購入方法をわかりやすく解説しています。
ポスティングの範囲が広く5,000枚を超えるくらいの枚数になると、飼い主さんとご家族だけでのポスティングが困難になってきます。その場合は、地元のポスティング業者さまへ依頼をご検討されることも必要になってくるかも知れません。
そこでご参考までに、一般的なポスティングサービスの種類をご紹介させていただきます。地域によって依頼できるサービスの内容は異なりますので、ネットなどで検索して、配布エリア、配布方法、配布完了希望日、料金などの打ち合わせを行ってください。今後の捜索のために、配布完了後に配布記録を提出してもらうよう依頼しておくこともお勧めします。
①新聞折込
新聞販売店を基点として配布エリアが選定されます。新聞の購読率は若い世代を中心に年々減少し、現在は約6割になっています。配布完了日は交渉にもよりますが、通常1~2週間後となるようです。
②ポスティング業者さま
他社のチラシや雑誌と一緒に配布してくれます。町丁目または市区町村単位で配布エリアを指定できます。ポスティング業者さまが判断した投函禁止物件や、チラシや郵便物が詰まった郵便受けへは投函しませんので、エリア毎の配布数は世帯数の5~7割となるようです。配布完了日は交渉にもよりますが、通常1~2週間後となるようです。
③便利屋さま
単独ポスティング。要望に応じてお客様のチラシを単独で配布してくれることがあります。交渉次第で翌日からのポスティングを依頼できることもありますが、費用はそれなりにかかるようです。
ポスティング以外にも、地方紙や新聞への迷子情報掲載といった方法もありますので、ご検討ください。
目撃情報の電話はいきなりかかってきます。かかってきたときに慌てないよう、予め以下の項目を手帳などにメモして、いつでも取り出して見られるようにしておくと便利です。
電話がかかってきたら丁重にお礼をしてから、以下の聞き取りとお願いをします。
①迷子チラシやSNSを見た方から電話がかかってきたりDMが送られてきたりしたら、目撃日時(いつ見たか、いつから見かけるようになったか)、目撃場所、目撃したときの様子、どこからどこへ向かって行ったかを聞き取ります。
②写真がある場合は SMS などで送ってもらいます。
③電話をくださった方の名前を聞き、こちらからも連絡させてもらえるようお願いし関係を維持します。もしまた見かけたら写真を撮っていただけるようにお願いをします。
④スマホの電話帳に保存した連絡先に、「目撃情報 曙1丁目ヤマダさま」などと情報を追加しておくと、次回かかってきたときに、誰からの電話かがわかりやすくなります。
⑤可能であれば、保護して欲しい、追いかけず尾行して欲しい、交番に連絡して欲しいなど、飼い主さんが現場に到着するまでやっていただきたいことを無理のない範囲でお願いします。
行政機関に届出をし、SNSで迷子情報を発信し、迷子チラシをひろく貼り出しているにもかかわらず、まったく目撃情報がない場合は、以下の原因を想定して、それぞれに対策をとっていきます。
①怖くて隠れているため目撃されない
警戒心が極端に強い犬の場合、人やまわりの環境が怖くて、歩きまわるのではなく暗くて狭くて奥が深い場所を見つけて潜り込んでいることがあります。いなくなって数日であれば、隠れているために目撃されていない可能性があります。
>どんなに警戒心が強くても、いつまでも何も食べないわけにはいかず、数日中には水と餌を求めて移動をはじめます。移動をはじめると人目につくため、いなくなった場所周辺に迷子チラシを掲示、またできれば全戸にポスティングして見かけたら連絡がもらえる体制をつくっていきます。
②迷子チラシを貼り出した範囲を出てしまっている
飼い主さんとはぐれると犬は不安定な精神状態となり、飼い主さんのもとや家に帰ろうと、知っている場所をさがして歩きまわります。
年齢にもよりますが、迷子になった犬が1日に移動できる距離の目安は、超小型犬で500m、小型犬で1km、中型・大型犬で5kmほどになります。犬種によってはさらに遠くまで移動することもあります。住宅地より遮蔽物の少ない山間部や田畑の多い地域のほうが移動距離がのびる傾向があります。
最後に目撃された場所を中心に、1日に移動できる距離 × 目撃されてからの日数で捜索範囲を決めていきます。
ただし、日にちが経過すると空腹と疲労のため1日の移動距離が短くなっていきますので、1日に移動できる距離 × いなくなってからの日数で捜索範囲をどこまでも拡げていくのではなく、超小型犬では半径5km、小型犬では半径10km、中型・大型犬では半径30kmを移動上限の目安として捜索範囲を決めていきます。
>いなくなってからの日にちに応じた捜索範囲に迷子チラシを許可を得て密に貼り、見かけたら連絡がもらえる体制をつくっていきます。
また、捜索範囲より外の人も含め、より多くの人に迷子を捜していることを知っていただけるようSNSでの情報発信を続けます。
③目撃されているのに連絡がもらえない
迷子チラシを見て心配してくださるのはご年配の方も多く、メールアドレスやSNSのアカウントでは連絡がもらえないことがあります。
>連絡先を飼い主さんの携帯電話番号に変更した迷子チラシに作り変えます。
④どこかのお宅で保護、または飼われている
行政機関に届出をし、SNSで迷子情報を発信し、迷子チラシをひろく貼り出しているにもかかわらず、まったく目撃情報がない場合は、遠くへ移動する前にいなくなった場所周辺にお住まいの方に保護されているケースもあります。
犬を見つけた方が交番に連れていくと、交番では預かれないので動物愛護センターに連れていくか、飼い主さんが捜しにくるまで自宅で保護してもらえないかとお願いされることがあります。自宅に連れて帰りお世話してくださった場合、飼い主さんが交番に提出された拾得物届を見つけるまで、そのままそのお宅で保護されていることがあります。
人懐っこい小型犬の場合、見つけた人が保護し、行政機関に届出をせずそのまま飼ってしまっているケースも稀にあります。
>自宅に迷子の犬を迎えた場合、ノミ・ダニや感染症の検査に動物病院に連れていったり、散歩に連れていったりするようになりますので、保護してくださっている方やご近所の方に気がついてもらえるよう、いなくなった場所周辺に許可を得て迷子チラシを密に貼り、さらにできればいなくなった場所周辺全戸に漏れなく迷子チラシをポスティングします。
⑤行政機関に保護されている
ノーリードで歩きまわっている犬は目立ち、条例違反であるため、交番などで保護されるケースは多いです。行政機関に保護されても首輪に連絡先が記載されていなければ連絡がもらえるとは限りませんので、届出してからも継続的に収容情報を確認する必要があります。
また、行政機関に保護された場合は、SNS上に情報があがってくることはありません。
警察署、保健所などで保護された場合、最終的に都道府県の動物愛護センターに移送され、収容期間が過ぎると譲渡対象となります。保護団体の方が引き出してくださっている場合もあります。
>最後に目撃された場所を中心に、超小型犬では半径5km、小型犬では半径10km、中型・大型犬では半径30kmを移動上限の目安として捜索範囲を決め、その範囲でうちの犬が保護されていないかの情報収集を行います。交番だけでなく保健所や動物愛護センターなど捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をだし、継続的に収容情報の確認をします。保護団体の方が引き出してくださっている場合もありますので、地域の動物愛護センターに確認します。
犬の移動範囲は広く、ノーリードで歩きまわっている犬は目立つため、SNSでの情報発信は有効です。
以下の情報を投稿して、拡散をお願いします。
・犬の名前
・外観、毛色や柄がわかる写真
・大きさがわかる写真
・いなくなった日にち
・いなくなった場所
・最新の目撃情報
・飼い主さんの連絡先
・見かけたら写真を撮っていただけるようお願いする
・できれば保護をお願いする、または追いかけず見かけたら連絡いただけるようお願いする
また情報発信だけでなく、迷子犬の目撃や保護の投稿を検索し、うちの犬の可能性がある場合は投稿者に連絡します。
一方デメリットとして、不特定多数の人が目にするSNSでの拡散は、長期化すると目撃情報だけでなく自分の体験談や知識を披露したり、捜索の進捗を細かく聞いてくる人が増え、その対応に時間を取られることがあります。なかには心ない誹謗中傷が送られてくることもありますので、SNSで迷子犬の情報を発信される場合、できればSNSの管理は他の人に頼むほうが捜索のための気力を保つことができます。
そういった捜索に寄与しないやりとりや誹謗中傷の心配の少ないSNSに、株式会社ほぼ日が運営する犬猫SNS「ドコノコ」があります。ドコノコの迷子掲示板は、情報の拡散よりも、現場での捜索協力に重きをおいた「参加型迷子掲示板」です。迷子チラシのポスティングや目撃場所付近の見回りなど飼い主さんだけでは時間がとれない作業のお手伝いをお願いすることができます。ツイッターやインスタほど多くのユーザーはいませんが、ユーザーは犬猫好きで迷子捜し経験者も多いので、きっと心強いと思います。
ただし行政機関に保護された場合は、SNS上に情報があがってくることはありません。交番だけでなく保健所や動物愛護センターなど捜索範囲を管轄するすべての行政機関に必ず届出をし、継続的に収容情報を確認する必要があります。
大好きなオヤツやオモチャ、懐中電灯、首輪とリード、迷子チラシ、地図(Google マップなど)
ぶじ保護できたら首輪がゆるくなっていないことを確認してください。痩せて首輪が抜けやすくなっていることがあるので、その場合は首輪を締め直してからリードに繋いでください。興奮しているようであれば、ハーネスやチョークをつけてダブルリードにして、再び逃げないようにします。
迷子を捜していて、ご近所にお住まいと方とトラブルになってしまうことがあります。
飼い主さんにとっては「たいせつな家族」でも、「たかが犬くらいで」と思われる方もおられますから、気を悪くされるとクレームになり、その後の捜索に支障をきたしてしまうこともあります。
ついやりがちではありますが、迷子を捜すさいは以下のことをしないよう注意してください。
・無断で電柱や街路樹、ガードレール、壁等に迷子チラシを貼る。軽犯罪法違反ですので、すぐに警察に呼び出されることになります。
・数人で喋りながら捜しまわる。
・夜中に家のまわりをうろつく、庭を懐中電灯で照らす。
・夜中に迷子チラシをポスティングする。
・無断で庭を覗き込む、トレイルカメラや捕獲器をしかける。
一緒に捜してくださる方たちにも気をつけてくださるよう伝えましょう。
ご近所を捜すときは、ぜひ迷子チラシを持ち歩いてください。不審者がられたときに疑いを晴らすのに役立ちますし、見かけたら連絡がもらえるかも知れません。
また、SNSや迷子チラシに謝礼を記載すると、謝礼めあてに、集団で捜しまわったり、捕まえようと追いまわしたりする人が現れ、地域住民とのトラブルが起きその後の捜索に支障をきたしたり、犬が遠くに移動してしまったりすることがあります。
ご自身がやられたら、ちょっとイヤかもということを想像しながら、ご近所にお住まいと方のご迷惑にならないように、うちの犬を捜してください。迷子の犬のことを心配してくださる方は、たぶんあなたが思っておられるよりもずっと多く、よい関係が築ければきっと力になってくださるはずです。
必要な道具:オヤツやオモチャ、首輪とリード
うちの犬を見つけたときに、名前を叫んで駆け寄ってしまうと、犬がパニックになり逃げてしまうことがあります。
飼い主さんのいつもと違う様子に驚いたり、飼い主さんと長く離れたことによる不安から警戒心が強くなっていることもありますので、いきなり走り寄らずにまずは遠くからいつも通りに名前を呼び飼い主さんを認識させてから、ゆっくりと近寄り保護してください。
また、いなくなってすぐのときは犬によっては追いかけられると遊びだと思い、逃げてしまうこともありますので、その場合は追いかけずに後ろに下がりながら呼び戻しをします。
呼び戻しのさい特に注意すべきことは交通事故です。道路の向こうにいる犬を見つけた場合は、呼び寄せる前に車が走ってこないかを必ず確認してください。車が走っているときに絶対呼び寄せてはいけません。犬はまわりを見ずに走ってきますので大変危険です。
ぶじ保護できたら首輪がゆるくなっていないことを確認してください。痩せて首輪が抜けやすくなっていることがあるので、その場合は首輪を締め直してからリードを繋いでください。興奮しているようであれば、ハーネスやチョークをつけてダブルリードにして、再び逃げないようにします。
狭い範囲に隠れているのを見つけ出さなければならない迷子猫と違い、ノーリードで歩いているとひとめで迷子とわかり、広範囲に移動する傾向がある迷子犬の捜索は、行政機関の収容情報確認とSNS、迷子チラシの貼り出しといった情報発信が捜索作業の中心になります。
行政機関への届出とSNSの発信は飼い主さんしかできませんので、プロのペット探偵に依頼しても、捕獲以外にはできる作業はあまりありません。
ペット探偵に依頼する前に、まず無料チャットボット「迷子を見つける500の方法」に、犬種、いなくなってからの日にちなどを入力して、今のあなたの犬を見つける方法を調べてください。正しい捜し方がわかれば、飼い主さんでも見つけられる可能性は充分にあります。
・トレイルカメラとは、野外の動物を自動撮影するための昼間・夜間動体検知カメラです。
・犬などの動物が近づいたことを検知して、写真または動画を撮影してくれます。
・乾電池駆動で防水機能があり、映像は本体のメモリーカードに保存されます。
・うちの犬が置いた餌を食べに来ているのかどうかの確認や、捕獲器まわりでの挙動を観察するのに使います。人の気配をさせることなく、ひと晩中監視してくれるので、迷子犬捜しには大変役立つ道具です。
・トレイルカメラは用途が特殊なため家電量販店では取り扱っていません。ネット通販で購入できますので「トレイルカメラ」で検索して、防水、日本語対応、購入者評価で故障の書き込みが少ないものの中からお選びください。
・ネット通販で「トレイルカメラ」で検索すると、例えば例えばこのようなものが見つかります。スペック的にはこういったものでよさそうです。
ただ、安価なものはすぐ壊れたり、日本語の取説がなかったりすることがありますので、購入者のレビューも参考にして、ご自身の判断でお選びください。
・スマホでリアルタイムに映像モニターできる WiFi 式のものも販売されていますが、通信機材の取り扱いに慣れておられない場合はシンプルなものを選ばれることをお勧めします。
・知り合いに迷子猫捜しの経験がある人がいたら持っているかも知れませんので、貸してもらえないか聞いてみてください。小型三脚もあると設置のさい撮影範囲を調整するのに便利です。
(参考)トレイルカメラで猫の挙動を撮影
①トレイルカメラの設定
機種による違いはありますが餌場の犬を観察するための設定は、
・動画:撮影時間2分程度、音声オン
・センサー感度:中
とするのがよいでしょう。
②トレイルカメラの設置場所
置いた餌からおよそ2m離し、犬が来たときに全身が写る場所に設置します。必ず事前に試し撮りをして撮影範囲を確認してください。
③人さまの敷地に設置する場合は事前に許可を取ってください。敷地まわりに設置する場合でも、住居内を覗き込むような位置に設置してはいけません。
④不審物として撤去されないように、トレイルカメラには設置の目的と設置期間および連絡先を明記してください。
盗難の恐れがなくもないので、ひとめにつきにくい場所に押し込むように設置すること、また盗難防止用鍵付きワイヤーで柱などに繋ぎ止めておくこともお勧めします。
(参考)トレイルカメラで猫の挙動を撮影
踏板の奥に餌を置き犬をおびき入れ、犬が踏板を踏むとスプリングで扉が閉まる仕組みの捕獲器です。上から餌を吊り下げるタイプのものもあります。
迷子猫の捕獲にひろく使用されており、猫用のものであれば保健所や動物病院、保護団体さまから借りられるかも知れませんので尋ねてみてください。知り合いに迷子猫を捕獲した経験がある人がいたら持っているかも知れませんので、貸してもらえないか聞いてみてください。ネット通販でも購入できます。
猫用の踏板式捕獲器が使えるのは、せいぜい体重7kg程度の小型犬までです。
それ以上大きな犬には野犬用や小動物用捕獲器を使うことになりますが、貸し出し用を持っているところはあまりなく購入するようになります。
ここでは市販の踏板式捕獲器を使った小型犬の捕獲のしかたを説明します。メーカーによって構造に違いがありますので、取扱方法についてはメーカーの取扱説明書をご参照ください。
事前に餌付けをして、同じ時間、同じ場所に来るようになってから捕獲器を設置します。
(1)設置の許可取り
①捕獲器を自分の敷地以外に設置する場合は、土地の所有者に許可を得てください。
②自由外出の猫がいる場合は、捕獲器を設置する時間帯に猫を外に出さないように飼い主さんにお願いします。
地域猫がいる場合は、置き餌の場所を捕獲器から離していただけるように管理されている方にお願いします。
野良猫がいる場合は、捕獲器から離れた場所でたっぷりの餌を与え、捕獲器に近づかないようにします。
③捕獲器を見かけた人に不審物ではないことを知っていただくために、捕獲器にはご自分の名前、電話番号、設置期間、目的(迷子犬の捕獲)を明示してください。
(2)使用前の動作、安全確認
①捕獲器のサイズが小さいと、せっかく中に入って踏板を踏んでも、扉にしっぽや後ろ脚が挟まり閉まりきらず、また外に出てしまうことがあります。うちの犬が奥まで入ることができる充分な大きさのものを選んでください。
②内側に犬が怪我をするような鋭利な突起がないか確認してください。鋭利な突起がある場合はヤスリで丸く研磨します。
③使用前に、奥側のスライド網戸を犬が自分で押し開けられないことを確認してください。押し開けられそうな場合は、結束バンドで固定してください。
④踏板を押して扉がスムーズに閉じることを確認してください。踏板に軽く触っただけで扉が閉じてしまう場合は、フックのひっかかりが深くなるよう調整します。扉が筐体に擦れる場合は、筐体の歪みを矯正します。
⑤捕獲器に他の動物の匂いがついている場合は、動物の匂いを消臭スプレーや水洗いでじゅうぶんに取り去ってください。
(3)捕獲器を快適にする
①捕獲器の上に自身の匂いが付いたシーツなどを被せると安心感が増します。捕獲器の中にトイレシートを敷き歩きやすくします。
②餌はうちの犬が普段食べている好物を使います。匂いの強いものを一緒に盛ると効果的です。
③虫の多い季節に餌を置くさいは、平皿に水を張り、その中にもうひとつ足つきの皿を置いて餌を盛るとナメクジや虫が餌に寄ってきません。
(4)捕獲器の置き場所
①餌付けした場所に、土地の所有者の許可を得てから捕獲器を設置します。
②捕獲器のまわりを人がうろうろすると犬が警戒して捕獲器に近づきませんので、離れた場所から懐中電灯で捕獲器の扉が閉まっているかどうかを確認できる場所を選んで設置します。
③捕獲器入口の手前に、ごく少量の餌を置きます。警戒して捕獲器に入らない犬もいますが、捕獲器の外の餌がなくなっていれば、そこになにかしらの動物が来たことがわかります。捕獲器まわりにそれ以外の餌は撒かないでください。その餌で空腹が満たされると、リスクを犯してまで捕獲器に入りません。
(5)捕獲器の管理
①夏場は短時間でも熱中症の危険があるので、日中捕獲器を設置してはいけません。
②捕獲器を設置したら、人の気配を感じさせないようその場を離れます。
③捕獲器に動物が入った状態で長時間放置すると怪我や衰弱のリスクが高まりますので、3時間ごとに遠くから扉が閉まっていないかを確認してください。扉が閉まっていなければすみやかに立ち去ります。
④もし他の動物がかかってしまった場合は、お互い怪我をしないよう気をつけて、ただちにリリースしてください。感染症のリスクがありますので、手首・腕を引っ掻かれないよう注意してください。もし引っ掻かれたり、噛まれたりした場合は、すぐに傷口を流水でじゅうぶんに流し、病院で処置をしてもらってください。
(6)トレイルカメラを設置して観察
①捕獲器にかからない場合は、そもそもうちの犬が捕獲器近くまで来ているのか、来ているが警戒して入らないのかを確認するために、土地の所有者の許可を得てから、トレイルカメラを捕獲器まわりが撮影できる位置に設置します。
②トレイルカメラは暗闇でも動くものに反応して鮮明な写真または動画を撮影してくれます。
(7)犬が捕獲器に入らない場合
警戒心が強い犬は、よほど空腹にならないとなかなか捕獲器に入らないことがあります。
①飢えてこないと捕獲器には入らないので、捕獲器に慣らす目的以外の餌は置かないようにします。
②捕獲器の扉を、犬が踏板を踏んでも閉まらないよう、結束バンドで固定しておきます。
③犬が捕獲器を通り抜けられるよう、奥側のスライド扉をはずしておきます。
④捕獲器の近くにトレイルカメラを設置し以下を確認します。
・捕獲器の近くに置いたほんの少量の餌を食べるか>空腹になっているかの確認
・捕獲器入口手前30センチに置いたほんの少量の餌を食べるか>捕獲器をどれくらい警戒しているかの確認
・捕獲器の中のたっぷりの餌を食べるか>捕獲器の中まで入るかの確認
⑤犬が捕獲器の中まで入るようであれば、扉を固定している結束バンドをはずし、奥側のスライド扉を差し込み、捕獲器をしかけます。
⑥警戒してすぐには捕獲器に入ろうとしない場合は、餌を与えず空腹の状態を維持し、時間をかけて捕獲器に慣らしていきます。
踏板式捕獲器ではサイズが小さかったり、警戒して入らなかったりする場合は、市販の犬用サークルを改造してトラップを作ります。
市販の犬用サークルを改造してトラップを作るメリットは、
・ペットショップやホームセンター、ネット通販で必要なサークルと部品が購入できる。
・野犬用や小動物用捕獲器を購入することにくらべ安価に作ることができる。
・軽量なので移動、設置がらく。
・トラップとして使用した後は通常のサークルとして使うことができる。
(1)作り方
・材料:屋根付大型犬用サークル、ドア用ラッチ 2個、結束バンド 4本、段ボール片 2枚、ポリエチレンロープ 20m程度、スナップフック 1個
・現場で使うもの:トレイルカメラ
①大型犬用サークル
使用するサークルは犬が安心して入るよう大型で屋根付のものを選んでください。
②ドア用ラッチの取り付け
ドア用ラッチとサークルの間に、扉の金網の厚みより少し厚みのある段ボール片をはさみ、結束バンドで固定します。ドア用ラッチを取り付けることで、扉が閉まると内側から開けることができなくなります。ドア用ラッチは間隔をあけて2ケ所取り付けます。
③フックにロープをつける
スナップフックにポリエチレンロープを結びつけます。
④フックを扉に固定
扉にスナップフックを固定し、ポリエチレンロープをサークルの内側から外側に通します。
(2)使い方
①事前練習
事前に何度もロープを素早く引き扉のラッチを閉める練習をしてください。ロープを引くタイミングのイメージトレーニングをしてください。
②扉を開ける
サークルの扉を開けます。
③餌を置く
犬をサークルの奥まで誘導するために、扉の手前、扉のすぐ外、サークルの中間にそれぞれ少量の、サークルの奥にたっぷりの好物の餌を置きます。普段使っていた自身の匂いのついた敷物やおもちゃをサークルの中に入れておくのも効果的です。
④待機する
サークルから離れた場所に隠れ、犬が来るのを待ちます。
犬が現れたら、扉に固定したロープをぴんと張った状態で握り、犬がサークルに入るのを待ちます。
⑤ロープを素早く引く
犬がサークルの充分奥まで入り餌に口をつけて食べだしたら、タイミングを見計らい素早く躊躇なくロープを引いて扉を閉めます。
(3)警戒して入らない場合
①サークルを警戒して入らない場合
犬がサークルを警戒して入らない場合は、カモフラージュネットなどをサークルに被せてください。
②人を警戒して入らない場合
人の気配を警戒してサークルに入らない場合は、警戒心がなくなるまでしばらくサークルで餌付けを行ってください。餌を置いたらその場を離れ、犬の様子はトレイルカメラで観察します。警戒心の強い犬は空腹にならないとリスクを犯してまでサークルに入らないので、サークルのまわりに餌を置かないでください。
犬がサークルの奥まで入るようになったら、待機してタイミングを見計らいロープを素早く引いて捕獲します。
(参考)トレイルカメラで猫の挙動を撮影
現在市販されている迷子タグの位置検出方式には以下の2つがあります。
(1)人工衛生から送られてくる位置情報を使ったGPS方式
(2)犬の近くを通りがかった人のスマホのアプリ経由で位置情報が送られてくるBluetooth方式
それぞれ居場所が検出できる環境が異なり、それによって捜し方が違ってきますので、その違いをご紹介します。
(1)GPSトラッカー
GPSトラッカーとは、GPSで取得した位置情報を携帯電話回線で送信し、あなたのPCやスマホのアプリで表示閲覧できる端末のことをいいます。SIMカードを搭載しているタイプは携帯電話回線を使ってスマホのアプリと交信しますので、遠く離れていても居場所がリアルタイムでわかります。
①性能
・検出範囲:GPS衛星の電波が届いている範囲
・位置精度:誤差は10m程度(準天頂衛星「みちびき」のサブメータ級測位に対応したGPSトラッカーの場合の誤差は1m程度)
・通信距離:携帯電話回線の圏内に犬がいれば、どれだけ離れていてもあなたのスマホのアプリに居場所の情報がリアルタイムに送られてきます。
・電池寿命:バッテリーの大きさと通信頻度の設定によりますが、1週間程度のものが多いようです。
②居場所がわかるには条件があります
犬と空の間に邪魔するものが何もないこと。犬の首輪につけたGPSトラッカーがGPS衛星と通信するために邪魔になる建造物などがないことが条件になります。
・犬が水や餌を求めて移動しているときに居場所が検出されやすくなります。
・一方、警戒心が極端に強い犬が、暗くて狭くて奥が深い場所に潜り込んでいる場合は、建物や壁が邪魔をして検出されにくくなります。何日もじっと隠れていると、そこから外に出てくるまでにGPSトラッカーの電池が切れてしまうことがあります。
③居場所がわからない場合があります
・GPS衛星の電波が届いていない:GPS衛星の電波は、遮るものがあると届かないことがあります。空き家や倉庫内や側溝の中だけでなく、軒下や物置の下、森の中でも届かないことがあります。
・GPS衛星との通信間隔時間の設定が長い:消費電力を抑えるために、GPS衛星との通信間隔時間の設定を例えば10分にしていると、その時間内で犬が外に出てきてまた隠れると検出されません。
・携帯電話回線圏外:犬が携帯電話回線圏外にいると、位置情報を発信してもスマホのアプリに通知が届きません。
・電池切れ:フル充電にしていても1週間程度しか電池が保たないものが多いです。
・破損:水濡れや衝撃により壊れてしまった場合。
・首輪またはGPSトラッカーがはずれてしまった場合。
④犬の捜し方
・スマホのアプリに位置情報が送られてきたら、できるだけはやく現場に行って犬を捜します。
・GPSトラッカーからは、居場所がリアルタイムで送られてきますので追跡します。
・警戒心が極端に強い犬の場合、検出された場所の半径10m以内に犬がいるとしても、狭い隙間が多かったり物が積み上がっていたりすると捜し出せないことがあります。現場に行っても隠れていて見つからない場合は、近隣に迷子チラシをポスティングし、餌とトレイルカメラ、状況によっては捕獲器の設置をします。
・いなくなってから位置情報が一度も送られてこない場合、電池切れや破損の可能性もありますので、位置情報が送られてくるのを待つだけでなく、チャットボット「迷子を見つける500の方法」で調べた捜索作業を進めてください。
(2)Bluetoothタグ
Bluetooth方式の迷子タグとは、犬の近くを通りがかった人のスマホにBluetooth電波を飛ばし、その人のスマホ経由で送られてくる位置情報を、あなたのPCやスマホのアプリで表示閲覧できる端末のことをいいます。位置検出とあなたのスマホへの通信を近くを通りがかった人のスマホが担ってくれるため、タグの消費電力が少なく、小さな電池でも約1年という長期間位置情報を送ってくれます。
GPSのようにリアルタイムで居場所を追跡するのではなく、たくさんの人のスマホのネットワークで地面に網(メッシュ)を張り、その網にかかるのを待つ方式なので、位置検出してくれるスマホが少ないと(メッシュが粗いと)その隙間をすり抜けてしまい検出されません。
現在もっとも検出してくれるスマホが多い(メッシュが細かい)BluetoothタグはApple社のAirTagで、まわりの人が持っているすべてのiPhoneとiPadがあなたの犬のタグを検出してくれます。もともと財布などの紛失防止用に作られたものなので、迷子タグとしての使用が推奨されてはいませんが、うまく使えば発見に繋がる可能性があります。
①性能
・検出範囲:誰かのiPhoneかiPadが迷子タグをつけた犬におよそ10mまで近づくと、自動であなたのスマホに検出位置情報を送ります。
・位置精度:あなたが現場に行き検出できれば、iPhoneのアプリで犬のいる方向と犬までの距離を表示してくれます。
・通信距離:携帯電話回線の圏内であれば、どれだけ離れていてもあなたのiPhoneに通知が届きます。
・電池寿命:1年以上
②居場所がわかるには条件があります
迷子タグをつけた犬と自分を含む誰かのiPhoneかiPadがおよそ10mまで近づくこと。
・住宅密集地や人の往来が多い地域を歩きまわっている犬は検出されやすい傾向があります。
・犬とiPhoneかiPadの間にBluetooth通信を邪魔する遮蔽物がないこと。物置の下や軒下に潜り込んでいると、壁や建物が邪魔をして検出距離が10mより短くなります。
③居場所がわからない場合があります
・犬の10m以内にiPhoneかiPadを持った人がいない:犬が歩きまわっていても、すぐ近くにiPhoneを持っている人がいない郊外や山間部では検出されることは期待できません。
・犬の10m以内にiPhoneかiPadを持った人が少ない:誰かのiPhoneに検出されても、GPSのように移動をリアルタイムに追跡することはできませんので、次に誰かのiPhoneに検出されるのを待たなければなりません。
・犬が物置の下や軒下に潜り込んでいると、壁や建物が邪魔をして検出距離が10mより短くなります。
・携帯電話回線圏外:犬が携帯電話回線圏外にいると、位置情報を発信してもPCやスマホのアプリに通知が届きません。
・電池切れ
・破損:水濡れや衝撃により壊れてしまった場合。
・首輪またはBluetoothタグがはずれてしまった場合。
④犬の捜し方
・いなくなってすぐで、まだ近くに隠れていることが想定される場合は、いなくなったブロックと隣接するブロックのすべての路地をAirTagとペアリングしたiPhoneの「探す」を起動して歩きます。iPhoneを持っている人が捜索に協力してくださる場合は、20m以下の間隔で横に並び列をくずさないよう進行します。
・壁や建物といった遮蔽物があると検出できる距離が10mより短くなってしまいますので、広い敷地のお宅には事情を話し、日中敷地に入れさせていただき、犬が入り込んでいないか捜します。
・あなたのiPhoneに誰かのiPhoneかiPadから位置情報が送られてきたら、できるだけはやく現場に行って犬を捜します。
・現場に行っても見つからない場合は、近隣に迷子チラシをポスティングし、餌とトレイルカメラ、状況によっては捕獲器の設置をします。
・犬がいなくなったのが、iPhoneを持っている人が少ない郊外や山間部では検出されることは期待できません。位置情報が送られてくるのを待つだけでなく、チャットボット「迷子を見つける500の方法」で調べた捜索作業を進めてください。
③マイクロチップについて
個体識別のために身体に埋め込むマイクロチップには、残念ながらGPSのように居場所がわかる機能はありません。
①夜間に保護した場合、保護した犬が怪我や衰弱している場合には、夜間救急動物病院で治療してもらってください。
②迷子になり何日もまったく何も食べていないことがあります。ひどく痩せている場合はフードをふやかす、ウェットタイプにするなど胃に負担が少ないようにして与えてください。
③保護した犬に特に問題がないように見える場合でも、念のためかかりつけの動物病院で検査してもらってください。(脱水症状、外傷、歯と爪の損傷、ノミ・ダニ・寄生虫、血液検査で感染症などの確認、体重の大幅な減少がないかなど)
④山間部で他の動物に噛まれていた場合、3日くらいしてから症状がでることがありますので、注意して観察し腫れや化膿が見つかった場合は動物病院で処置してもらってください。
⑤もし捕獲時に飼い主さんが噛まれたり、引っ掻かれたりした場合は、感染症のリスクがありますので、すぐに傷口を流水でじゅうぶんに流し、腫れるようであれば病院で処置をしてもらってください。
①迷子がぶじに帰ってきたら、目撃情報をくださった方たちと迷子捜しに協力してくださった皆様に報告し、感謝を伝えましょう。
②許可を得て貼り出した迷子チラシがあれば、そのチラシに「見つかりました」のメモを貼りつけ、3日ほどしたら撤収します。迷子のことを心配してくださっている地域の方は多いものです。
③迷子届をした交番、保健所、動物愛護センター、清掃事務所と動物病院に保護したことを報告します。
(お願い)
捜している犬が見つかったときはぜひ、迷子の飼い主さんサポート活動の「迷子が見つかりました!」から、保護までの経緯をお知らせください。
チャットボットの捜索プランをさらに精度の高いものにすることと、迷子を捜している多くの飼い主さまのお役にたてる情報発信に活用させていただきます。
お疲れさまでした!
※ 制作中です。
※ 制作中です。
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どれくらいの犬や猫が毎年迷子になっているのでしょうか。
全国で迷子の件数を集計した資料はありませんので、わかる数字から推計してみます。
年間 迷子発生件数推計 猫 6.8万件、犬 1.2万件
以下を根拠に推計しました。
①参考になるのは警察署への遺失物届件数ですが、地域により集計しているところとしていないところがあり、全国集計の資料はありません。そこで、集計している都道府県での年間届出件数を全国の世帯数で換算すると、犬がおよそ1.2万件、猫がおよそ7千件となります。
②ところが、私たちはこれまで6千件を超える迷子捜索を行ってきましたが、そのご依頼の9割が猫です。①で推計した犬と猫の比率とあいません。実際、私たちに捜索依頼をされた猫の飼い主さんの多くが警察署への遺失物届をしておられませんでした。
③そこで、迷子になった場合にほぼすべての飼い主さんが遺失物届をしていると考えられる犬の1.2万件を基準にして、大規模な迷子掲示板集計を公表している「ドコノコ」での猫犬迷子発生比率 = 猫 85%:犬 15% を適応すると、ざっくりではありますが、毎年6.8万件の猫が迷子になっていると推計されます。
これには、すぐに見つかったり、帰ってきたものは含まれていないでしょうから、うっかり外に出てしまった件数はもっと多いかも知れません。
(参考)犬猫SNS ドコノコ 数字でみる犬猫迷子のこと。
迷子の発見率を全国で集計した資料はありません。
犬猫SNS ドコノコで迷子掲示板の大規模な集計が行われていますので、それを参照すると、迷子犬の発見率は 45.8% 、迷子猫の発見率は 51.8%とあります。
ドコノコの迷子掲示板では、ご近所にも手伝っていただきながら継続的に捜されているケースが多いので、一般の迷子の発見率はもう少し低いかも知れません。
(出典)犬猫SNS ドコノコ 数字でみる犬猫迷子のこと。